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KDDIとHPE、堺データセンターの2025年度内稼働に向け連携

NVIDIA Blackwellを搭載したHPEのシステムを導入

 KDDI株式会社と日本ヒューレット・パッカード合同会社(以下、HPE)26日、大阪堺データセンターの2025年度内の稼働開始に向けて連携すると発表した。

 両社は連携により、大阪堺データセンター内にNVIDIA Blackwellチップを搭載したラックスケールシステム「NVIDIA GB200 NVL72 by HPE」を導入する。導入後は、HPEの空冷と直接液冷を併用するハイブリッド型冷却技術を駆使して、環境負荷の低減に配慮したデータセンターの運用開始を目指す。

 また、大阪堺データセンターを活用したサービスのマーケティングに共同で取り組み、AIソリューションの社会実装を加速していくとしている。両社の連携は、HPEが6月25日に米国ラスベガスで開催したイベント「HPE Discover」で紹介した。

(左)HPE 社長兼CEO アントニオ・ネリ氏、(右)KDDI 代表取締役社長 CEO 松田浩路氏

 KDDIは、大規模かつ高性能なAI基盤構築のニーズに対応するため、大阪府堺市に兆単位パラメーターの大規模生成AIモデルを高速に開発できるAIデータセンターを構築する。生成AIの開発や低レイテンシー推論といったAI関連事業への活用に加え、AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX」を通じて、企業などへGPUサーバーをクラウドベースで利用できるサービスの提供を目指している。

 HPEは、スーパーコンピューター分野での豊富な実績と50年以上にわたり提供している高度な冷却技術を有している。NVIDIA GB200 NVL72 by HPEは、高度な直接液冷によりエネルギー効率とパフォーマンスが最適化され、大規模で複雑なAIクラスタを迅速に導入できるよう設計されているラックスケールシステム。

 連携にあたり、KDDI 代表取締役社長 CEOの松田浩路氏は、「この度、HPEとの連携により、大阪堺データセンターに高性能なGPU基盤を導入できることを大変うれしく思います。HPEが有するスーパーコンピューティング領域での豊富な知見と先進的な冷却技術は、今後のAIデータセンターの発展に大きく寄与すると確信しています。本連携を通じて、夢中になれるパートナーと共に、AIと共存する持続可能な未来をつくることに挑戦していきます」と述べている。

 HPE 社長兼CEOのアントニオ・ネリ(Antonio Neri)氏は、「KDDIとの連携は、AIイノベーションのさらなる加速に向けて極めて重要な一歩であると考えております。この度導入される、強力なコンピューティング基盤を通じて、よりスマートなソリューションの実現や生産性の向上に寄与し、技術的リーダーシップのさらなる強化に貢献できることは大変光栄です。大阪堺データセンターに導入される、HPEの業界最先端の冷却技術は、高性能AIシステムの安定稼働を支えると同時に、環境負荷の大幅な低減に寄与すると確信しております。KDDIと共に、お客さまの可能性を広げる未来の実現に向けて挑戦できることを、心より楽しみにしております」と述べている。

 今後も両社は連携を強化し、環境への影響を最小限に抑えた最先端のAIインフラ環境の構築と、サービスの高度化に取り組んでいくとしている。