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キヤノンMJ、自動で食器を認識するAIエンジンによる「社員食堂自動精算サービス」を提供

 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は21日、社員食堂の精算を画像解析技術で実現する食器認識AIエンジンを開発し、コスト削減と運用の負荷軽減を支援する「社員食堂自動精算サービス」を7月下旬に提供開始すると発表した。

 社員食堂では、運営の人手不足に対応し、自動で食器を認識して精算するシステムが多くの食堂で導入されており、食器の裏に貼り付けたRFIDタグを用いた精算システムが主流となっているが、RFIDに対応した食器以外は利用できないため、料理や季節に応じた多様な食器を使用することが難しく、また定期的なメンテナンスが発生するという課題もあるという。

 こうした課題に対し、キヤノンMJは画像解析技術を活用した食器認識AIエンジンを開発し、コスト削減と運用の負荷軽減を支援する社員食堂自動精算サービスを提供開始する。

食器認識AIエンジンによる「社員食堂自動精算サービス」の概要図

 開発したAIエンジンは、キヤノン株式会社が製品開発で培ってきたAI認識・画像解析技術とネットワークカメラの撮影ノウハウを活用し、社員食堂の速やかな自動精算を可能にする。トレー上の食器画像を解析し、食器の種類を判別するとともに、食器以外の物体を認識した場合でも排除することで、高いサービス品質を実現する。

 また、画像解析方式のため、RFID対応の食器だけでなく通常の食器を使用することも可能で、多様な食器の使用を実現する。さらに、定期的な食器のメンテナンス作業が不要となり、運用面の作業負荷も軽減する。

 食堂で一般的に使用されている多種多様な食器を学習させた食器認識AIエンジンは、国内キヤノングループの社員食堂44カ所での検証を重ね、精度の高い食器識別を実現し、食器コストを85%削減した。現在もキヤノンをはじめ、グループ社員がこの技術が搭載された食堂精算サービスを毎日利用しているという。

 キヤノンMJは、映像とAIを掛け合わせることで、業種、業務に合わせたソリューションを提供し、映像DXシリーズとして業務プロセスの変革を支援してきた。今後は食器認識AIエンジンの技術向上を図り、社員食堂自動精算サービスを2030年までに全国の社員食堂の3割に導入を目指すとともに、飲食店などの他分野へ展開していく。さらに、食後の画像データを精算のみならず、食と健康情報の分析につなげることで、社会全体の健康経営の実現に貢献していくとしている。