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トレンドマイクロとユビキタス、IoT向けセキュリティソリューションの共同開発で合意

IoTデバイスや自動車向けセキュリティの共同研究を開始

 トレンドマイクロ株式会社と株式会社ユビキタスは16日、IoT分野におけるセキュリティソリューションを共同開発することに合意したと発表した。

 トレンドマイクロとユビキタスでは、1)IoT関連の管理装置に組み込む「セキュリティソリューションのソフトウェア開発キット(SDK)の共同開発、2)セキュアなIoTクラウドプラットフォームの実現、3)自動車向けセキュリティの共同研究――の3分野において協業を開始する。

 IoT関連の管理装置に組み込む「セキュリティソリューションのSDK」の共同開発では、スマートテレビやエアコン、給湯器といった住宅設備機器など家庭内のIoTデバイスを家の外から遠隔操作する際や、家庭内の電力使用状況を把握する際に必要な管理装置(ホームゲートウェイ)に組み込むセキュリティソリューションを共同開発する。

 具体的には、ユビキタスの提供するIoTデバイスと管理装置が通信するためのスマートホーム関連技術と、トレンドマイクロのIoTデバイスを保護するセキュリティ技術「Trend Micro Smart Home Network」を組み合わせて、管理装置を製造、提供する事業者にSDKとして提供する。事業者はSDKを利用することで、家庭内のIoTデバイスに対する脆弱性を悪用する攻撃やウイルスの感染から防ぐ機能を管理装置に実装できる。

 共同開発の第一弾として、SDKを利用して開発した管理装置を、2016年1月に米ラスベガスで開催されるCES期間中に、トレンドマイクロの特設ブースで参考展示する。

 セキュアなIoTクラウドプラットフォームの実現では、ユビキタスが提供するIoTクラウドプラットフォーム「dalchymia」に、トレンドマイクロの総合サーバセキュリティ対策製品「Trend Micro Deep Security」を導入し、dalchymiaサービスのAPIとして利用できる環境を構築する。

 これにより、外部からの不正アクセスや脆弱性を悪用する攻撃を防ぎ、セキュアなIoTクラウドプラットフォームの提供を実現。また、IoT関連の管理装置とIoTクラウドプラットフォームを連携させることで、短期間で安全なIoT環境を実現する。

 自動車向けセキュリティの共同研究では、次世代自動車に求められるセキュリティ技術とそれを活用したセキュリティソリューションの共同研究を行う。

 トレンドマイクロとユビキタスでは、IoT時代の本格到来を迎える中で、サイバーセキュリティの脅威が懸念されており、IoTデバイス/クラウドプラットフォームの安全な利活用を実現するセキュリティソリューションの提供が重要となっていると説明。今回の協業を機に、今後両社はIoTデバイス、IoTクラウドプラットフォームに加えて、IoT環境における安全な通信やデータの保護の実現に取り組んでいくとしている。

三柳 英樹