ニュース

日産が世界で一貫したブランドイメージ構築へ、アドビ製品を導入

 アドビシステムズ株式会社(以下、アドビ)は6日、日産自動車株式会社(以下、日産)がルノー・日産アライアンス共通のマーケティング基盤を構築するため、「Adobe Marketing Cloud」を採用したと発表した。日産はグローバルで展開する複数のブランドで一貫したブランドイメージの熟成をめざす。

 日産は世界20の国・地域に生産拠点を持ち、世界各国の拠点を通じて3つの自動車ブランド「NISSAN」「INFINITI」「DATSUN」を展開している。かねてより、デジタルを使いこなす顧客の購買プロセスに重点を置き、一貫したブランド戦略に基づいて迅速な市場展開を図りつつ、顧客を理解するためのデータ分析や、ブランドイメージを保つためのアセット管理の効率を高めたいという課題を持っていた。

 これまでは世界各国で展開する各拠点の裁量によってデジタルマーケティングが推進されていたため、特に「一貫したブランドイメージ」の構築が課題となっており、日産が持つグローバルでの総合力を十分に生かせなかったという。

 そこで、グローバルマーケティングビジョンの主導の下、デジタルマーケティングの変革に着手し、各拠点の強みを発揮できるルノー・日産アライアンス共通のマーケティング基盤を構築するため、Adobe Marketing Cloudを採用した。

 Adobe Marketing Cloudには、「Adobe Experience Manager」「Adobe Analytics」「Adobe Target」「Adobe Social」が含まれる。これらを活用することで、各拠点のマーケターとクリエイティブチームは、顧客との接点となるモバイル・ソーシャル・ディーラー網などの多様なチャネルを通じて、顧客一人一人の興味・嗜好に応じた適切なコミュニケーションを図りながら、一貫したブランドアセットを迅速かつ効率的に活用できるという。

 日産ではこの変革によって、グローバル資源の活用、重複投資の合理化、プロセスの標準化を図り、年間あたりのマーケティング投資を半分に抑制することをめざすという。また、一人一人の顧客に最適な体験を提供することでマーケティングの費用対効果と収益性の向上を見込んでいる。

川島 弘之