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IBM、AIを活用したデジタル主権管理環境を構築・管理するためのソフトウェア「IBM Sovereign Core」を発表

 米IBMは現地時間15日、企業、政府機関、サービスプロバイダーがAIを活用したデジタル主権管理環境を構築、展開、管理するための、AI対応主権管理ソフトウェア「IBM Sovereign Core」を発表した。

 IBMは、世界中の組織にとって、自社のテクノロジー・インフラストラクチャーを管理する必要性はますます高まっており、変化する規制要件と監査可能なガバナンスの必要性を背景に、企業や政府は特にAIワークロードの導入によって主権性への懸念が増大する中、自ら全面的に運用権限を維持できるセルフマネージドな環境を求めていると指摘する。

 また、デジタル主権とは、データレジデンシー(データの物理的な保管場所)だけを指すものではなく、テクノロジー環境の運用・管理担当者、データへのアクセス方法およびガバナンス、ワークロードの実行場所、AIモデルの管轄権限なども含まれると説明。しかし、ほとんどの組織には、AI機能を組み込んだアプリケーションや、継続的なコンプライアンス・レポート機能を備えたアプリケーションなど、デジタル主権の管理下にあるアプリケーションを配置、モダナイズ、リホストする先がないという。

 こうした課題に対し、IBM Sovereign Coreは、デジタル主権について確実に検証し、完全な運用管理を達成できるよう支援する。IBM Sovereign CoreはRed Hatのオープンソース基盤上に構築され、選択された管轄区域内で、企業独自の権限に基づいてクラウドネイティブおよびAIワークロードを構築、デプロイ、管理するための専用ソフトウェアとなる。既存のアーキテクチャーに主権の管理レイヤーを重ねるアプローチとは異なり、IBM Sovereign Coreは主権をソフトウェアそのものに組み込む。

 これにより、顧客自身が管理するコントロールプレーンを実現し、地域外のベンダーを介することなく、ソフトウェアの運用、デプロイの判断、システム構成に対する直接的な運用権限を維持できる。

 すべての認証、承認、暗号化キー、アクセス管理情報を、組織の管理下にある管轄領域内で保持できるとともに、包括的な運用データ、システムテレメトリー、監査証跡を、主権領域内で自動化IDを含めて生成、保存、管理できる。

 AIモデルのデプロイおよびホスティング、ローカルGPUクラスター、ローカルでの推論実行およびエージェント処理は、トレーサビリティーおよび監視機能を備えたローカルガバナンス体制下で行われるため、データが外部プロバイダーにエクスポートされない。

 一貫性および柔軟性を備えた主権管理機能が一括提供されるため、導入から数日以内にマルチテナント機能を組み込んだ隔離された環境を構築でき、ハードウェアとインフラストラクチャーも自由に選択できる。

 また、IBM Sovereign Coreは、オンプレミスのデータセンター、地域内のクラウドインフラストラクチャー、ITサービスプロバイダーなどの環境を選択して導入できる。IBMは世界中のITサービスプロバイダーと協業を進めており、欧州ではベルギーおよびオランダのCegeka、ドイツのComputacenterを皮切りに、IBM Sovereign Coreのロールアウトを開始しています。このパートナーシップのもと、ローカル領域における独立した運用およびコンプライアンス管理が可能になる一方で、ITサービスプロバイダーは大規模なAIワークロードを準備・実行する企業に、他社とは一線を画す主権管理サービスを提供できるとしている。

 IBM Sovereign Coreは、2月に技術プレビューの公開を開始し、2026年半ばに一般提供開始を予定する。