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米Google、BYOD企業米Divideを買収

~「個人」と「会社」にスマートフォン端末内を分ける

 米Googleが19日、スマートフォン端末を企業で使用しやすくする技術開発企業米Divideを買収したことが明らかになった。

 DivideはWebサイトでこの買収を発表し、Google広報はコメントしなかったものの、買収の事実を認めた。今後DivideはAndroid開発チームに加わることになる。なお買収金額等の詳細は明らかになっていない。

 Divideは私物端末を会社で使用するいわゆるBYOD技術を提供する。Android/iOSに対応したDivideアプリを利用すると、端末の中に会社専用のワークスペースを作成でき、個人のスペースと完全に区分けできる。会社のワークスペースを利用する場合、パスワードを入力して仕事を開始する。ユーザーインターフェースはAndroid準拠で使い慣れているため、利用者の学習曲線はなだらかだ。

 アプリはExchange ActiveSync、Google Apps、Lotus Notesに対応。ワークスペースの使用が終われば、ユーザーはアプリを閉じるだけで私物端末として利用を続けられる。

 会社のワークスペースは暗号化されており、アプリとして区分けされているため、プライベートな情報まで会社にリモートワイプされてしまう恐れもなく、個人の端末を安心して利用できるメリットがある。

 Divideは金融大手モルガンスタンレー社のIT部門出身者によって設立され、今でも同社出身社員が多いという。金融部門で要求される機密保護技術を生かしていると言えそうだ。

 Google広報はこの買収についてコメントせず、iOSアプリなど今後の計画についても明らかにしなかった。DivideはWebサイトで「既存顧客については、Divideはこれまで通りご利用いただけます」とコメントしている。

 Divideは2011年にComcast Ventures、Google Ventures、Qualcomm Venturesの出資を受けて創業している。

青木 大我 taiga@scientist.com