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「次世代型脅威防御」へ前進するトレンドマイクロ、新製品を多数予告
(2014/3/26 06:00)
トレンドマイクロ株式会社は25日、攻撃者の行動や技術の解析に基づいた次世代型脅威防御のアプローチにより、入念にカスタマイズされた標的型サイバー攻撃から顧客の環境を自動防御する「トレンドマイクロ スマートプロテクションプラットフォーム(SPP)」を発表した。
同プラットフォームは、「検知・分析・対処・保護の脅威防御ライフサイクル全体にわたり、同社の製品・サービスを組み合わせ、企業の情報資産を効果的に守るためのソリューションフレームワーク」(代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏)。
以前より同社は、パターンファイルをクラウド上に移し、ユーザーからのフィードバックを反映したデータベースを使って、ファイル・Web・メールの疑わしさをレピュテーション技術で判定する「スマートプロテクションネットワーク(SPN)」を提供している。
このSPPはこれを進化させ、グレーゾーンの攻撃や時間とともに様相を変化させる攻撃などに対して、防御技術もダイナミックにアップデートさせていく「Next Generation Threat Defense(次世代型脅威防御)」を実現するのが特長という。
SPPに基づいて、2014年度中に数多くの新製品・新施策を展開する。
新サービスとしては、スマートデバイスのアプリをクラウド上から画面転送型で利用可能にする「Safe Mobile Workforce」、Webサーバー・Webアプリの脆弱性を自動スキャンしてWAFとの連携も図れる「Deep Security for Web Apps」、脅威に対する検知・分析・対処のサイクルをより迅速にするエンドポイント向けセンサー「Smart Sensor(日本でのサービス名は未定)」などを紹介した。
また、サンドボックス型の標的型攻撃対策アプライアンス「Deep Discovery」では、サンドボックスのキャパシティ拡張や、サンドボックスを回避する脅威への対応をはじめとした機能強化も発表。サンドボックスでメールのURLや添付ファイルを動的に解析する「Deep Discovery Email Inspector」、Deep Discoveryが検知した情報をHPセキュリティ製品と共有・連携する「Deep Discovery ingegration with HP Tipping Point」などのリリース計画も明らかにした。
これらは、2014年度Q1~Q2にかけて投入する予定だ。
取締役副社長の大三川彰彦氏は日本市場での戦略を説明。クラウド・仮想化分野では、統合サーバーセキュリティ製品「Deep Security」におけるAWS/Windowz Azure対応をはじめ、同製品をクラウドで提供する「Deep Discovery as a Service」のリリース(Q2)も明らかに。
仮想環境やデータセンター分野でのパートナーシップも強める方針で、「(すでに実績の多い)VMwareとの技術連携強化やパートナー技術者へのハンズオントレーニングなどを行う」と説明。Q2には「パブリッククラウドを利用するユーザーのセキュリティ課題を解決するため、クラウドインテグレーターとのコンソーシアムを設立する」とのこと。
サイバー攻撃(カスタムディフェンス)分野では、サンドボックス型のアプライアンス製品「Deep Discovery」を軸に、「大企業だけでなく中堅企業も導入しやすい製品展開を予定する」。具体的に、メール経由での攻撃対策に特化した中堅企業向け製品の投(Q3)、サンドボックス機能のキャパシティ向上といった機能強化(Q3)を順次進める。
また、CSIRT/SOC立ち上げ支援サービスをQ2より提供するほか、脅威のアセスメント、解析、予測、運用・監視といったコンサルティングサービスも拡充していく。
ユーザー保護分野では、Q2より企業向けクラウド型セキュリティサービス「Trend Micro Security as a Service」のラインアップ拡充・機能強化を図る。一例としてクラウド型UTM(Q3)をリリースする予定。企業向けファイル共有ソリューション「SafeSync for Enterprise」でも、より安全なデータ交換を実現する機能強化などを行う予定とした。
2013年の「仮想化・クラウドセキュリティ市場での売上拡大」「サイバー攻撃関連製品の伸長」「Trend Micro Security as a Serviceの売上拡大」といった実績を背景に、仮想化・クラウド分野のパートナーシップ、Deep Securityの拡張、サイバー攻撃関連製品の中堅市場への展開、コンサルティングの拡充、クラウド型セキュリティサービスの拡充などを進め、「脅威の侵入ポイントである各レイヤや、幅広い環境に対応したセキュリティソリューションを展開していく」(大三川氏)意向だ。