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中小企業の生成AI活用はノウハウ・人材不足が課題に、Windows 11への移行は順調に進む~デル・テクノロジーズ調査
2025年5月13日 11:00
デル・テクノロジーズ株式会社は12日、中小企業のAI活用とITインフラ動向に関する調査結果を発表した。
企業の生成AIへの取り組み状況は、既に全体の15%の企業が導入済みだが、その約4割はまだ成果が出せていないと回答している。また、3割強の企業は生成AI導入に前向きだが、模索している段階で導入には至っていないとしており、全体で半数の企業がAI導入に関心を持っているが、半数の企業が具体的な導入効果や活用法が見いだせていないのが実情だと分析している。
生成AIの導入・活用に向けては、「特に活用は考えていない」という回答は全体の4分の1程度にとどまっており、生成AIの導入・活用に対する関心度は高まりつつあるが、一方で生成AIを活用するためのノウハウがない、活用方法がないと感じている企業が多く、これが導入に踏み切れない原因になっているとしている。
生成AIの利用動向は、複数のサービスを使い、最適な生成AIを探している企業が多数であり、生成AIの活用動向と展望は、人材不足対策の一方で、既存の概念にとらわれないアイデア出しに活用されているとしている。
生成AIの活用の普及に必要なものとしては、ノウハウ、そして費用対効果の見える化が重要だと分析。また、Copilot+ PCに対する認知は全体のほぼ7割となっており、今後はCopilot+ PCのさらなる普及が見込まれるとしている。
ITインフラに関する調査では、約75%の企業が何らかのサーバーを導入・使用しており、サーバーの用途としてはファイルサーバーが全体の約6割、サーバー導入に限れば約8割に上る。次いで、バックアップサーバー、アプリケーションサーバー、データベースサーバーが続き、ウェブサーバーやメールサーバーの割合は比較的小さい。
また、ほとんどの企業が何らかのオンプレミスサーバーを利用しており、仮想化されていない物理サーバーがオンプレミスサーバーの6割を占めている。
オンプレミスサーバーを利用する理由については、レスポンス性、コストメリット、既存システムとの連携を重視しているという回答が多い。一方、オンプレミスサーバーの導入・運用における課題としては、運用の負荷、人的問題、運用コストなどが回答として多かった。
クラウドサーバー(IaaS)の導入状況は、全体の48%にあたる380社が何らかのIaaSを導入しており、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureがそれぞれ100社を超えており、両者で半数を超えている。
クラウドサーバー(IaaS)を選択した理由は、運用管理負荷の軽減、セキュリティ保全を挙げた回答が多く、一方で課題としては、運用コストが高い、セキュリティが不安、運用を行う人材がいないといった点を挙げる回答が多かった。
クラウドサービス(SaaS)の導入状況は、導入率は全体の73%に上り、Microsoft 365が占める割合が突出している。クラウドサービス(SaaS)の導入理由としては、システム管理者の負荷が大きな「システム運用管理」「セキュリティ」の負担軽減が上位となった。
ITインフラの今後の動向としては、オンプレミスからクラウドへの流れはありつつも、「検討中」と回答する企業も多く、現状維持派も大半が模索中ではないかと分析している。
2025年10月にサポート終了となるWindows 10への対応では、4割の企業が、すでに8割以上のPCをWindows 11に移行したと回答、62%の企業はすでに半数以上のPCを移行していると答えており、多くの企業がWindows 11への移行を積極的に進めていると分析。4割弱の企業がWindows 11対応の課題は特にないと回答しているが、互換性確認やコスト、移行の工数を課題に挙げる企業もある。