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IIJ、Ruby on Railsの開発支援・実行環境を提供するPaaS

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は10日、Ruby on RailsによるWebアプリケーションの開発支援環境と実行環境をクラウド上で提供する「IIJ GIO MOGOK(モゴック)サービス」(以下、MOGOK)を、同日より正式提供開始すると発表した。すでに、ベータ版(試験サービス)を2012年10月より開始していたが、今回より法人向けの有償メニューを追加し、正式サービスとして開始する。

 MOGOKは、Webアプリケーション開発者向けに、開発支援環境と実行環境をクラウドサービス「IIJ GIOサービス」上で提供するPaaS。安定したクラウドサービス上でRuby on Railsアプリケーションの開発支援環境と実行環境をインフラと一元的に提供するため、アプリケーション開発者は、サーバーやデータベースなどのインフラ運用から解放され、情報共有サイトや電子商取引サイトなどのWebアプリケーションの開発や、それらを用いたビジネスのスタートアップに専念できるようになるという。

 利用にあたっては、MOGOKのWebサイトからオンラインサインアップするだけで、開発・実行に必要な環境が2分程度で利用可能になる。また、画面からプリセットアプリケーションを選択後、3分程度でRuby on Railsアプリケーションを稼働させられるとのこと。

 さらに有償メニューでは、実行環境のインスタンスを拡張し、複数のアプリケーションを実行したり、高速な専有データベースを利用したりすることが可能。また、マニュアルやサポートはすべて日本語で提供されるので、言葉の壁を意識せず、プログラミングに専念できる点もメリットとしている。

 開発支援環境は、アプリケーションやアカウントの管理、サポートのドキュメントを掲載したポータルサイト「MOGOKポータル」、開発に必要なソフト一式をまとめた「クライアントパッケージ」、実行環境にアプリケーションをデプロイするためのアプリケーションモジュール保管領域「Gitリポジトリ」を無償で提供する。

 一方、実行環境は利用状況に応じて課金される仕組み。Webアプリケーションの実行機能を提供する「Webインスタンス」は、1インスタンスのみ無料で利用できるが、追加1インスタンスあたり2800円(税別)がかかる。また、rakeタスクを定時実行ジョブとして登録し、指定した時刻に実行できる「Jobインスタンス」や、delayed_jobによる非同期処理の実行機能を提供する「Workerインスタンス」は各2800円(税別)となった。

 「スクリプト実行インスタンス」と、MySQLによるデータベース機能を提供する「DBインスタンス」は無料で提供され、1アプリケーションあたり1インスタンスが利用できるが、専用のデータベースを用意する「専用DBサーバ」も、1万6000円(税別)からで利用できる。

 なおMOGOKでは、すでに数百のアプリケーションが常時稼働しており、その実績から、IIJはRubyアソシエーションの認定クラウドサービス事業者(Gold)として登録されたとのことだ。

石井 一志