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仮想化ソフト市場、2012年は世界で日本が最も成長~IDC調べ
前年比28.6%増の360億9000万円に
(2013/8/20 06:00)
IDC Japan株式会社は19日、国内仮想化ソフト市場実績および予測を発表した。2012年の国内仮想マシン/クラウドシステムソフト市場は前年比成長率28.6%増の360億9000万円で、世界主要地域の中でも最も高い成長を遂げた。2017年には721億円の市場規模に拡大すると見る。
2012年における国内仮想マシン/クラウドシステムソフト市場は、大手企業におけるプライベートクラウドの構築をはじめとする仮想基盤の拡大、中堅中小企業へのサーバー仮想化の浸透、デスクトップ仮想化の拡大によって、2012年も非常に高い成長を遂げた。前年比成長率28.6%の360億9000万円で、世界の主要6地域(北米、中南米、西ヨーロッパ、中東欧・中東・アフリカ、日本、日本を除くアジア太平洋)の中でも日本が最も高い成長率だった。市場の約90%のシェアを持つVMwareが売上を大きく伸ばした。多くの企業で仮想基盤が標準になっていき、2013年以降も高い成長が継続、2017年には市場規模が721億円に達すると予測する。
クライアント仮想化ソフト市場は、1)ネイティブ環境への分散を目的として仮想化されたUIをOS内に構築する「プレゼンテーション仮想化」、2)アプリケーションをカプセル化しそのほかのローカルアプリケーションから分離する「アプリケーション仮想化」、3)ホストのハードウェアからOSを切り離し特定のクライアント環境を分離するためにハイパーバイザーを利用して仮想化する「デスクトップ仮想化」の3つに分類されるが、1)のプレゼンテーション仮想化が市場の約70%を占めている。
2012年は前年比12.8%増と好調。一方、急速に導入が拡大している3)デスクトップ仮想化市場が対前年比39.4%増となり、20%強の構成比を占めるまでに拡大している。この市場ではCitrixとVMwareのシェア争いが加熱している。同市場の2012~2017年のCAGRは22%、2017年には98億円に達し、クライアント仮想化ソフト市場の約35%を占めるまで拡大すると見る。
IDC Japanでは、「日本の仮想化ソフト市場の成長スピードは世界の中で最も早い国・地域の1つ。ただ、単なるサーバー統合で終わってしまうケースも多く、成長スピードが減速してしまう懸念もある。さらなる市場成長のためには、サーバーだけでなく、クライアント、ストレージ、ネットワークを統合的に仮想化し、Software-Difined Infrastructureと定義されるアーキテクチャの採用が重要になる」としている。