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東芝情報機器、Windows XPからの移行サービスを提供~移行した後の支援も
パートナー企業を通じた提案活動を加速
(2013/7/23 09:37)
東芝情報機器株式会社(TIE)は22日、Windows XP移行サービスを提供。企業ユーザーを対象に展開する一方、パートナー企業を通じた提案活動を加速する考えを示した。
TIEが提供するのは、Windows XP搭載PCから、Windows 7およびWindows 8搭載PCへとリプレースする「Windows 7/Windows 8 リプレース支援サービス」と、Windows 7搭載PCなどにおいて、Windows XPにダウングレードして利用しているユーザーを対象にした「Windows XP アップグレードサービス」の2種類。
いずれも同社独自のツールを活用することで、短時間で新たなOS環境へと移行できる点が特徴で、移行作業などに伴うIT管理者などの負担を軽減できるという。
対象となるPCは東芝製だけでなく、他社製PCでも利用できるとしている。
Windows 7/Windows 8 リプレース支援サービスでは、LANクロスケーブルを使い、現在使用しているWindows XP搭載PCと新たに導入するWindows 7あるいはWindows 8搭載PCを接続。それぞれのPCを起動させ、自動的にデータを移行することができる。
「マイクロソフトが提供する移行ツールを使用して移行する場合には、事前準備に98分、データ転送に約60分、後処理に約40分かかる。TIEのツールを利用することで事前処理が12分に短縮でき、後処理も2分に短縮できる。データ転送部分についてはマイクロソフトの移行ツールを使用するために時間はかわらないが、全体で84分間の短縮が可能になる」(東芝情報機器 カスタマサポート事業統括 カスタマサポート第1事業部長の柏田真吾取締役)としている。
LANケーブルを直接双方のPCにつないで作業することから、ファイルサーバーやUSB-HDDを利用したデータ移行作業に比べて、コピー作業が1回で済むこと、ネットワークに負荷をかけないこと、移行のための余分なコストが発生しないなどのメリットがあるという。
Windows 7/Windows 8 リプレース支援サービスでは、TIEから直接出向いて移行サービスを提供するオンサイトサービス(99台までの場合、1台あたり1万5750円)、対象PCを引き上げて作業を行うピックアップサポート(同1万2600円)、ツールを提供し、ユーザー自らが作業を行うお客さま作業(同6300円)を用意しているほか、ユーザー自らが作業を行う際のヘルプデスクサポート、マスターイメーシング設計支援サービス、PCキッティングサービスといった関連サービスを用意している。
一方、Windows XP アップグレードサービスは、専用ツールを利用することで、Windows XPを使用しているPCに対して、Windows XP環境を残したまま、Windows 7のマスターを組み込むことができるもの。Windows 8には対応していないという。
「従来のアップグレードでは環境確認、ユーザーデータのバックアップ、フォーマット、Windows 7のインストール、セットアップ、環境設定、ユーザーデータのリストアといった作業により約5時間かかっていた。暗号化された環境では約15時間もかかっていた。当社のアップグレードサービスでは、ユーザーデータを外部媒体へバックアップすることなく、アップグレードを行うことができるため、約1時間でアップグレードできる」(柏田取締役)という。
ユーザーデータが10~20GBの容量であれば、20~30分で作業が終了するという。ただし、My Documentsやデスクトップの移行は手作業が必要になる。また、複数マスター環境でアップグレードする場合にも、資産管理システムなどで生成したPC固有情報とマスターイメージをひもづけすることで、サーバーやメディアでセットアップする際にも自動選別アップグレードを可能にしている。
「HDDの空き容量として20GB程度が必要であり、そこにWindows XPを残したまま、Windows 7に入れ替える。なにか問題が発生した場合には再び、Windows XPに戻すことができたり、Windows 7環境で1カ月間運用したのちにWindows XPを消去するといった使い方もできる」(柏田取締役)と語った。
SmartDEによる暗号化にも対応しており、SDEありの場合の1台あたりのオンサイト価格は2万1000円、SDEなしは同1万7850円、ユーザー自身が行う場合はツールの提供となり1台あたり9450円(いずれも99台までの場合)。100台以上のオンサイトサービスの場合や、複数マスター環境の場合は別途見積もりとなる。必要な環境をセットしたマスターイメージを作成する「マイスターイメージ設計支援サービス」も用意している。
さらに同社では、Windows 7およびWindows 8へ移行したあとの支援サービスについても提供するという。
「Windows 7やOffice2010に移行を決めた企業からは、操作性の違いの問題や、管理方法の違いに関する懸念がある。こうしたことを研修を通じて解決していくサービス」(柏田取締役)としており、一般ユーザーを対象にした「デスクトップ簡易マニュアル」、「eラーニング」、「集合研修」の3つのサービスメニュー化。システム管理者向けにも「集合研究」を用意する。加えて、東芝OAコンサルタントによるデスクトップ導入計画サービス「DDPS(Desktop Deployment Planning Services)」を提供。ユーザー企業の環境にあわせて最適なデスクトップ環境への移行や展開計画を支援するという。
同社では、パートナー企業に対しても、「Windows 7/Windows 8 リプレース支援サービス」および「Windows XP アップグレードサービス」を提供していく考えで、パートナー企業がこのツールを活用して独自にメニュー化をすることも可能だという。
東芝情報機器の柏田取締役は、「移行サービスの約2割がパートナー企業を経由したものと想定しており、ツールだけを当社から購入して利用するという例もでている。サポート期限が近づくに従って、パートナー経由のビジネスが増加する可能性が高いと考えている。TIEの2次パートナー企業だけでなく、競合他社からの引き合いもある」などとした。