日本オラクル、最大900TBまでの拡張が可能なLTO-5対応テープライブラリ


StorageTek SL150 Modular Tape Library

 日本オラクル株式会社は30日、エントリー向けのテープライブラリ「StorageTek SL150 Modular Tape Library」(以下、SL150)を発表した。最大900TB(2:1圧縮時)までの拡張が可能で、価格は63万4022円(税別)から。

 「SL150」は、LTO-5ドライブを内蔵したエントリー向けのテープライブラリ。3Uサイズの基本ユニットに30巻のテープ(非圧縮時1.5TB)を格納でき、45TB(非圧縮時。2:1圧縮時は90TB)の容量をアーカイブすることができる。

 また、拡張筐体を接続することで手軽に容量を拡張できる点も特徴で、最大では300スロット、900TBまで対応可能。システム事業統括 ビジネス推進本部 ストレージ担当ディレクターの阿部恵史氏は、「従来のエントリー向け製品や多くの他社製品では、容量が大きくなると買い直してもらうことしかできなかったが、『SL150』では使いながら拡張していけるため、既存の投資が無駄にならない」という点を強調する。

 さらに、タッチパネルによる直感的な設定が可能なほか、拡張時もユニットを足してUSBを接続すれば自動認識するたやすさのため、「お客さま自身での増設と設定が可能で、作業比の削減とリードタイムの短縮につながるし、従来の『SL500』のように増設してもライセンスを購入する必要がない」とも述べ、運用コストの面でも効果的とアピールしている。


SL150の特徴システム事業統括 ビジネス推進本部 ストレージ担当ディレクターの阿部恵史氏

 なお阿部氏によれば、ヘッドの基礎技術などは以前からStorageTekが培ってきたものを生かしつつ、ファームウェアのベースにOracle Linuxを利用したり、リモート設定にOracle Fusion Middlewareの技術を生かしたりするなど、現在のOracleの資産を生かして開発されたとのことで、「さまざまな技術を融合することで開発コストが下げられており、それが製品価格にも反映されている」(阿部氏)とした。

 販売戦略としては、高い拡張性、コスト効率などを訴求して旧来のStorageTek製品のユーザーへ新製品へのリプレースを働きかけるほか、Oracleならではの強みを訴求して、新たな顧客獲得を目指すという。

 バイスプレジデント システム製品事業統括の飯尾光國氏によれば、データベースアプライアンス「Oracle Database Appliance」とは開発段階から連携を意図していたとのことで、事前検証済みの強みを生かし、「SL150」とのパッケージソリューションとして展開する考えを示した。またパートナーに対してもこのパッケージを商材として提供し、協業体制の確立を図るとしている。

 「当社のハードウェア戦略の中心にあるのは、当社のソフトウェアに最適化していくことで、これがすべての根幹。ストレージについてもそうしたメッセージのもとで、エンジニアードシステムからNASの『ZFS Storage Appliance』、SANの『Pillar Axiom』、テープの『StorageTek』をそろえて提供していく」(飯尾氏)。


バイスプレジデント システム製品事業統括の飯尾光國氏販売戦略
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