消費電力はPCの1/20? 日本HP、PoE受電に対応したオールインワン型のシンクライアント端末を発表


t410 AiOの概要

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は15日、Ethernetケーブル経由で電源供給を受けられるオールインワンタイプのシンクライアント「HP t410 All-in-One Smart Zero Client」(以下、t410 AiO)を発表した。7月下旬の販売開始を予定する。予定価格は3万5000円前後。

 t410 AiOは、18.5型ディスプレイとPC本体が一体化している、オールインワンタイプのシンクライアント端末。米3Mとの技術協力によるディスプレイの低消費電力化などによって、消費電力を13W未満まで大幅に低減しているのが最大の特徴という。これによって、IEEE 802.3afで規定されている最大12.95W給電での動作が可能になり、Ethernetケーブルからの電源供給を受ければ、電源ユニットなしでの利用を可能とした。

 日本HP パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション本部の九嶋俊一本部長は、「最新のPCと比べても1/10、一般的にオフィスで使われているであろう2年前のPC+ディスプレイと比べれば1/20の省電力化を実現した。しかし、消費電力は下げても性能を落としては意味がない。ディスプレイ部も、通常のPCとまったく同じ輝度・視野角を維持している」と述べ、その特徴をアピールする。

 またデジタル処理専用のDSPチップを搭載し、画面転送処理だけでなく、リッチコンテンツや映像などのマルチメディア再生においてもパフォーマンスがさらに向上しているとのこと。プロトコルも、RDP、CitrixのICA、VMwareのPCoIPをサポートしており、幅広く対応するとしている。

 CPUはDM8148(ARM Cortex A8 1GHz)、ディスプレイの最大解像度は1366×768ドット。このほか、1GBのメインメモリ、2GBのフラッシュメモリを搭載する。サイズと重量は、幅449.3×奥行き159.1×高さ341mm、3.65kg。


t410 AiOを手にする、日本HP パーソナルシステムズ事業統括 クライアントソリューション本部の九嶋俊一本部長t410 AiO側面
関連情報
(石井 一志)
2012/6/15 13:57