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アステックス、液冷システム負荷試験装置の開発に向け「Data Center Trial Field」の共同検証事業に参画

 株式会社アステックスは18日、株式会社NTTデータと日比谷総合設備株式会社が2024年11月に開設した、データセンターにおける液体冷却技術の活用推進を目的とした検証施設「Data Center Trial Field」の共同検証事業に参画すると発表した。

 Data Center Trial Fieldは、データセンターのオープンイノベーションやコラボレーションを促進するための施設で、データセンター内のサーバー類を冷却するための水冷・液冷に代表されるダイレクトリキッドクーリング(DLC)など、冷却設備の特性や限界性能の把握を実機で行える環境も整えられている。熱源とサーバー冷却装置それぞれの特性を把握するとともに、全体的なシステムや設備施工における検証が可能となっている。

「Data Center Trial Field」で想定するプレイヤー

 アステックスは、非常用電源の負荷試験事業を展開しており、2013年から自社開発の負荷試験装置を活用して、300カ所以上の新設データセンターでの性能検証試験に携わってきた。近年は、クラウドサービスや生成AIなどの情報技術・サービスの進展により、高性能なデータセンターの需要が高まっている。

 アステックスでは、データセンターの運営においては、発熱量や消費電力の増加が課題となっており、高性能なデータセンターでは、これまで以上に効率的で効果的な冷却技術や省エネルギーの技術が必要になると説明。検証事業に参画することで、高性能データセンターの液冷システム負荷試験装置の開発を目指し、性能検証に貢献するとしている。

 データセンターの新設時における負荷試験では、実運用を想定した包括的なシステムとして、確認・検査することが求められる。そこで、運用上想定される事象を発生させ、総合的に設備が機能するかを検証する「総合連動試験(IST)」を行う。

 アステックスは、検証事業に参加することで、高性能データセンター向けの試験環境を整備し、年間36件の高性能データセンターでの総合連動試験(IST)実施を目標とするとしている。