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オルツ、ハイレゾとの協業によりAI向け次世代データセンター事業「alt GPU Cloud」を開始

 株式会社オルツは14日、LLM(大規模言語モデル)構築で培った技術ノウハウを生かした次世代データセンター事業「alt GPU Cloud(オルツ・ジーピーユー・クラウド)」を開始すると発表した。

 同事業は、株式会社ハイレゾとの戦略的パートナーシップのもと、国内およびグローバル企業の事業をサポート可能な規模のGPUリソースを有する、AI特化型データセンターの運用と構築を目指す。また、GPU計算リソース提供基盤であるオルツのプロダクト「EMETH GPU POOL」とも連携させることで、ニーズが拡大している市場への事業機会を拡大する。

 alt GPU Cloudは、オルツがこれまでLLM開発・運用で蓄積した技術的知見と最適化ノウハウを基盤としたクラウドGPUサービスとして、AI開発に特化した高性能コンピューティング環境を提供する。

 日本国内では、AI特化型データセンターの深刻な供給不足が課題となっているとして、オルツではこの状況に対応するため、企業規模や企業それぞれのニーズに合わせた、カスタマイズ可能で柔軟なGPUリソースプールを構築する。また、これまでのLLM開発・運用で培った経験を生かし、AI処理に特化した高効率アーキテクチャ設計によるAIワークロード最適化インフラを提供する。

 オルツは、LLM開発・運用で培ったGPUクラスター最適化ノウハウを直接活用する専門性を有しており、経済産業省およびNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する国内生成AIの開発力強化プロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」に採択されていると説明。今回の取り組みでは、高性能な日本語LLM構築技術をデータセンター事業にも応用し、国内最大規模となるGPUコアを備える超大規模AI計算インフラの構築を目指すとしている。

 取り組みでは、さまざまなAI向け演算ユニットを取り扱う事業者として、最適なAIユースケースの提供という目的から逆算したハードウェア選定、データセンター運営、環境に配慮した電力供給によるサービス提供を行うと説明。また、国内AI計算基盤の強化という国家戦略に沿いながら、民間主導による持続可能なデータセンター事業のモデルケースを目指すとしている。

 サービスでは、LLM開発に特化した最先端GPU環境(NVIDIA H100/H200搭載)により、金融・製造・自治体など幅広い業界のDXをサポートする。また、日本国内にデータを保存できる環境を用意し、日本企業や研究機関が国内で安心して大規模GPUリソースを利用できるインフラを提供する。

 プロジェクトの成長に応じてスケールアップ可能な柔軟なリソースにより、事業規模や資金の制約を受けることなく、研究機関やスタートアップが大規模なGPU計算を利用できるようにする。これにより、本格的なLLM開発なども、コストパフォーマンス高く実行できるとしている。

 オルツは、同事業を新たな成長戦略の柱と位置付け、国内デジタルインフラの発展に貢献していくと説明。また、ハイレゾとの戦略的パートナーシップによって、オルツのAI技術とハイレゾのインフラ構築ノウハウを融合させた次世代データセンターの開発を進めていくとしている。