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NTT西日本グループ、大阪万博でIOWN APNの活用により複数放送局が共同利用可能なリモートプロダクション環境を提供
2025年2月25日 08:00
西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)などNTT西日本グループは20日、IOWN APNを活用した放送業界DXの取り組みの一環として、大阪・関西万博会期中に複数の放送局が共同利用可能なリモートプロダクション設備を提供し、在阪放送局と共同で実証実験を実施すると共に、IOWN APNを活用したリモートプロダクションの普及拡大に取り組んでいくと発表した。
NTTグループは、2025年大阪・関西万博において、低消費電力、大容量高品質、低遅延伝送を兼ね備えた「オールフォトニクスネットワーク(以下、IOWN APN)」を、夢洲会場内のパビリオン・催事施設などの主要施設間に提供することで、多くのパートナーと共創し、未来を先取りした体験を提供することを発表している。
今回の取り組みでは、データセンターと万博会場および放送局を、IOWN APNの技術を活用した「All-Photonics Connect powered by IOWN(以下、All-Photonics Connect)」により接続した上で、データセンター上に制作設備を設置し、複数の放送局が接続できるようにすることで、リモートプロダクション環境の共同利用化を実現する。
現在、イベント会場での映像制作については、各種制作機器を搭載した中継車を使うことが一般的だが、中継車の維持コスト、スタッフを含めた現地派遣コストに加えて、制作環境構築のためのリードタイムが発生することから、制作ワークフロー全体の効率化が求められているという。こうした課題に対し、取り組みにより番組制作稼働の効率化や、個別の設備投資・維持管理コスト、構築リードタイムの削減を可能とする。
取り組みでは運用観点からは、共同利用型のリモートプロダクションサービスを実際の放送向けに利用することを前提に、実運用上の課題を明確化する。また、最適なワークフローの具体化を行うことで、商用サービス化を推進する。
技術観点からは、データセンターからの時刻同期信号の配布、およびデータセンター設置の制作機器接続に伴う冗長性、遅延量について評価する。
NTT西日本グループは、今回提供するデータセンターをハブとして、複数のイベント会場と制作拠点をAll-Photonics Connectで接続し、リモートプロダクション設備を共同利用型で提供する「メディアハブ(仮称)」のサービス化の検討を進めていく。さらに、メディアハブ(仮称)のエリア拡大や、AIを活用した映像分析・編集支援などの機能拡充により、映像制作のDXだけでなく、コンテンツの品質向上にも貢献することで、メディア業界全体の発展に貢献していくとしている。