トヨタシステムズ、トヨタグループ向け社内システムの共通DB基盤にOracle Exadata Cloud@Customerを採用

　日本オラクル株式会社は5日、株式会社トヨタシステムズが、トヨタ自動車株式会社をはじめとしたトヨタグループ向けの社内システム共通データベース基盤として、自社データセンターにデータを保持しながら、マネージドデータベースサービスとして従量課金で利用可能な「Oracle Exadata Cloud@Customer」を導入したと発表した。

　トヨタグループのITソリューション企業であるトヨタシステムズでは、トヨタの人事、品質、調達などの幅広い業務で利用されている数百の社内システムを対象に、仮想化統合基盤による開発および構築を行っている。これらのシステムは、オンプレミス環境のOracle Database上で稼働し、一部のシステムは仮想化統合基盤で稼働しているものの、それ以外の個別のシステムを含め、データベース運用は各アプリケーション担当が個々に行っていたという。

　そこで同社は、性能向上、セキュリティ強化、運用効率化、コスト削減などを目指して、データベース基盤を統合し、運用管理を一元化・共通化する取り組みに着手。Oracle Cloud Infrastructure（OCI）の一サービスであるOracle Exadata Cloud@Customerを、共通データベース基盤として選定した。

　Oracle Exadata Cloud@Customerでは、導入企業自らのデータセンター内にデータベースマシン「Oracle Exadata」のハードウェアを設置するため、機密データを自社データセンター内で保持したまま、アプリケーションサーバーと低レイテンシで接続可能で、高い処理能力を実現可能。高い密度のコンピュートとストレージにより、Oracle Databaseのワークロードが統合され、結果、消費電力とデータセンターの使用スペースが削減されるので、全体のコスト削減にも寄与するとしている。

　トヨタシステムズでは、まず、トヨタ向けのサブシステムを含む数百の社内システムのデータベース環境をアップグレードし、集約・統合したうえで、自社データセンター内でマネージドサービスとして運用可能なクラウド基盤に移行し、Oracle Exadata Cloud@Customerを活用したデータベース管理の一元化を図る。こうして、基幹システムのデータベース環境をOracle Exadata Cloud@Customerで最新化、共通基盤化し、同社が運用するサービスとして、トヨタグループ各社に提供することを目指しているとのことだ。

　また、マネージドサービスによるクラウドの自動化は、構成や設定ミスの発生しやすい手動でのデータ管理タスクを軽減することから、アプリケーションの安定性とセキュリティも向上するとしている。

　なおトヨタシステムズは、日鉄ソリューションズ株式会社と日本オラクルのコンサルティングサービス部門による支援のもとで、Oracle Exadata Cloud@Customerでの共通データベース基盤の構築を2024年10月に完了。現在は、既存システムからのデータベースの移行に着手している。

　また、稼働後の定常的なパッチ適用やデータベースのバージョンアップにはOracle Real Application Testingを活用し、テスト効率の向上も図る考え。今後は、最新のOracle Database 23aiにバージョンアップし、基幹システムのデータを集約することで、AIの活用もより容易にしていく方針だ。