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NTT-ATと安藤ハザマ、AI画像解析技術を用いた危険行動検知システムの実証を開始

建設現場における安全意識向上の取り組みを支援

 NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)と安藤ハザマは3日、建設現場の監視カメラ映像を用いた、AI画像解析技術による危険行動検知システムを開発したと発表した。12月初旬から、建設現場での実証を開始する。なおNTT-ATは、AI画像解析技術を活用したシステム開発を、安藤ハザマは、建設現場の安全対策の課題と検証フィールドの提供をそれぞれ担当するとのこと。

 建設現場では、作業員の安全意識が低い場合、事故の発生リスクが高まる傾向があるため、作業員に対する安全意識の啓発が重要となる。しかし、安全研修やヒヤリハット共有などの教育による対策は自身の問題としてとらえにくく、また、昨今の人手不足により、現場において作業員の危険行動に対する行き届いた安全指導が難しいことが課題になっているとのこと。

 そこで今回は、AI画像解析技術を用いて、建設現場に設置されている監視カメラの映像に映り込む作業員の危険行動を検出し、検出した危険行動を作業員本人に知らせることで、日々の危険行動を自身で確認できるシステムを開発したという。

 このシステムでは、建設現場に設置された監視カメラ(クラウドカメラ)の映像データをAIクラウドサーバーが読み込み、AI画像解析機能を用いて、映像データから作業を行う人物の姿勢を識別し、危険行動にあたる姿勢を判定する。また、判定された情報(映像データ、発生位置、危険行動の種類)を蓄積し、専用のWebアプリケーションを用いて、作業員が自らの危険行動の情報を閲覧できるとした。

 今回の実証では、室内工事における立馬作業の転倒・転落事故につながる危険行動を検知対象として、当該作業が行われる複数箇所の建設現場に、開発されたシステムを導入。設置されたカメラに映る作業の映像をAIクラウドが取得し、転倒・転落事故につながる危険行動を検出する。

 モニターとなる当該建設現場の職長や作業員は、当日の作業終了時もしくは翌日の作業開始時に、このシステムを用いて危険行動の検出情報(映像データ、発生時間、危険行動の種類)を閲覧し、自己の危険行動を振り返って自身で是正することを基本行動として実施するという。

 実証期間は1カ月間を予定しており、実証期間終了後に、検出対象とした作業についての安全意識の向上やシステム利用に関して、作業員や職長、現場管理者によるアンケート評価を行うとともに、NTT-ATと安藤ハザマが共同で、実証期間中の検出結果についての精度確認を実施。システムの建設現場への導入における効果について、主に「運用」と「技術」の観点から確認するとしている。