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TOYOと日本IBM、業界標準のデータモデルを組み込んだEPCデータ統合Hub強化の共同開発が完了

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は26日、東洋エンジニアリング株式会社(以下、TOYO)と日本IBMが共同で取り組んだ、プラント建設業務のEPC(設計:Engineering、調達:Procurement、工事:Construction)における関連データを統合して管理・活用するための基盤、「EPC Hub(プロジェクトデータ統合ハブ)」の機能強化が完了したと発表した。

 開発では、EPCプロジェクト分野におけるさらなる効率化・強靭化を目指して、業界標準のデータモデルを組み込み、さらにMicrosoft Azure上に基盤を構築することで、「低コストでありながら、堅牢かつ拡張性の高いプラットフォーム」を実現した。

 開発は、TOYOのプラントエンジニアリング業界の知見と、日本IBMの業界知識と国際標準に対応できるコンサルティングやアーキテクチャー設計・構築の知見を融合させて行った。その結果、ビジネスとITが一体となったプロジェクト体制のもとで、デジタル時代のプロジェクト遂行を支援する高度なデータ分析基盤を構築できたという。

 今回開発したEPC Hubは、リアルタイム連携機能で、より精度の高い意思決定を実現するとともに、業界標準のCFIHOS(プラントステークホルダー間のデータハンドオーバーの国際標準規格)/AWP(建設工事の生産性向上とコスト削減を目的としたプロジェクトマネジメント手法)データモデルを搭載。さらに、データハンドリング機能を強化している。

 従来、意思決定支援ツールとして使用されるダッシュボードは、データ同士の関係を手作業で定義しており、効率化が大きな課題となっていた。EPC Hubでは、データ同士の関係性をデータ分析基盤が自動で処理するリアルタイム連携機能を整えたことで、ユーザーは分析軸を自由に切り替えられ、プロジェクトの工程間の前後関係や全体の流れを簡単に把握できるようになった。また、絞り込み条件を維持したまま詳細な分析を行うことも可能で、これにより、多角的な視点からデータを活用し、より効果的な意思決定を実現する。

 また、これまで、各プロジェクトのデータは手作業で管理されていたため、データの不整合が発生しやすいことが課題となっていた。今回、新たに業界標準のデータモデルを構築したことにより、共通のデータフォーマットが導入されることで、異なる関係者や部門間の情報共有がスムーズに行えるようになった。この改善は、部門間の協力体制の強化にもつながるとともに、業界標準に基づいたデータ管理を実施することで、エラーや不整合の発生が抑えられ、プロジェクトのリスクも最小限にできる。

 データハンドリング機能の強化では、データ分析基盤にさまざまな機能を搭載することで、データの正確性と一貫性を大幅に向上した。特に、データをチェックする「バリデーション機能」を強化したことで、データの取り込み時や更新時に自動的にエラーチェックが実施され、不正確なデータが流入することを未然に防ぐ。これにより、ユーザーは信頼性の高いデータに基づいて業務を遂行できる。また、データ品質が確保されることで、無駄な手直しやエラー修正の時間が大幅に削減され、プロジェクトの工数も減少する。

 TOYOと日本IBMは、技術革新に柔軟に対応し、最先端のプロジェクト管理手法を取り入れていくことで、顧客のニーズに応えていくと説明。また、品質・コスト・工期の総合力で競争力強化につながる基盤活用に加え、グローバル共通のプラントプロジェクト標準メソドロジー活用を通じたビジネス拡大を目指していくとしている。