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デル・テクノロジーズ、最新OS搭載によりエネルギー効率向上とサイバーレジリエンスを強化した「Dell PowerMax」ストレージを発表

 デル・テクノロジーズ株式会社は25日、高密度ストレージ「Dell PowerMax」の機能強化を発表した。最新版のOSとなる「PowerMaxOS 10.1」により、エネルギー効率の向上やサイバーレジリエンスの強化を図った。

 PowerMaxOS 10.1は、よりエネルギー効率に優れた持続可能なデータセンターを構築できるよう、利用状況に基づくリアルタイムの電力および環境モニタリングとアラート機能を提供。ラック上のすべてのコンポーネントの消費電力を、ラックの温度・湿度と同じように、電圧、電流、周波数を監視することで、顧客が高度な情報に基づく意思決定を行い、電力利用の最適化が可能となる。

 動的なデータモビリティー機能により、ワークロードを別のアレイに振り分け、リソースを最大化できる。新しいオープン システム向けの5:1データ削減保証により、データの重複排除と圧縮技術を強化。ワットあたり最大2.8倍のパフォーマンス向上を実現し、最大20万7000ドルの電気料金削減、最大82%の温室効果ガス削減が可能になるとしている。

 また、サイバーレジリエンスの強化により、ゼロトラストの導入を促進。PowerMaxは、サイバーレジリエンスを次のレベルに高め、顧客のアタックサーフェス(攻撃対象領域)を減らすとともに、潜在的な侵入を検知し、攻撃を受けた際の迅速な復旧を実現するとしている。

 強化した機能としては、米連邦政府APL(認定製品リスト)認定/STIGを強化し、米国防総省の厳格なガイドラインを満たし、アタック サーフェスを削減。TLS 1.3に対応し、より強力な暗号化アルゴリズムで盗聴やデータ侵害のリスクを軽減する。

 メインフレームストレージベースの侵入検知テクノロジーであるzCID(Cyber Intrusion Detection for z Systems)は、z/OSのワークロードを監視して通常の変動を特定し、侵入を検知時にアラートを発するユーザーカスタマイズ可能なルールを定義できる。

 このほか、I/Oパターンの高度な異常検知により、ランサムウェアやマルウェアの監視、検知、アラート能力を高め、サイバー攻撃の可能性を特定。イグニッションキーのサポートは、新しい保存データ機能で、外部キーマネージャーによって、アレイを物理的な盗難から保護する。データサニタイザーは、NIST(米国立標準技術研究所)対応プロセスを使用して、アレイをデコミッション(使用停止)する前にすべてのデータを消去する。

 デル・テクノロジーズでは、テクノロジーが急速な進化に対応するために、IT管理者はプロビジョニングや管理タスクを自動化しなければならないと説明。PowerMaxの新しいAI主導の自律ヘルスチェック機能は、予測分析を活用して、最適化できる可能性のある箇所をピンポイントでプロアクティブに特定する。同ツールは、統合された機械学習エンジンで複雑なデータパターンを精査することで、効率を高める機会を特定するとともに、煩雑な管理作業の介入を排除しながら、パフォーマンスを高めるアクションを提案する。予測分析を活用したAI主導の自律ヘルスチェック機能は、ストレージ最適化できる可能性のある箇所も、ピンポイントでプロアクティブに特定する。

 「CloudIQ AIOps」は、運用、エネルギー、セキュリティにおける新しい強化機能により、容量、パフォーマンス、構成、セキュリティに関する予測や通知、レコメンデーション、最も重要な是正のためのアクションを、PowerMaxユーザーに提供する。

 さらに、REST APIにより、自動ストレージプロビジョニングを実現することで、時間と労力が大幅に削減されると説明。また、ストレージリソース自動化のためのソフトウェアデファインドNVMe/TCPユーティリティーにより、NVMe/TCPのセットアップ時間を44%短縮できるとしている。