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DIC、館林工場にマクニカの製造現場DXサービス「DSF Cyclone」を導入
状況確認の効率化や収集したデータの有効活用を実現、今後はさらなる内製化を推進
2024年9月24日 14:09
株式会社マクニカは24日、DIC株式会社が、マクニカの製造現場DXサービス「DSF Cyclone」を館林工場に導入したと発表した。
印刷インキ、有機顔料、PPSコンパウンドなどを手掛けるファインケミカルメーカーのDICでは、樹脂着色剤事業のマザープラントとして1993年に操業を開始した館林工場を有している。その館林工場では、現在、樹脂に高付加価値な機能を持たせる素材を中心に生産を行っており、2017年ごろから生産部門を中心にデジタル化を進め、スマート工場化を推進してきたが、従来のログ収集基盤や現場の構造上の問題から、生産現場での効率的な状況把握が難しいという課題が存在していたという。
具体的には、設備からのアラートが発生した際に、現場担当者が毎回現地に赴く必要があるため、無駄な移動や対応の遅れが生じていたほか、データの収集は行われているものの、それを有効に活用できる環境が整っておらず、過去のデータを使用する際には手間がかかり、満足のいく形でのデータ利用が困難な状況にあったとのこと。
そこでDICでは、製造現場の設備や作業者のデータの収集~蓄積~分析を実現するサービスであるDSF Cycloneを館林工場に導入した。同製品は、データの収集と連携を効率的に行い、現場で簡単にデータを活用できる機能を持つため、内製化を重視し、現場での変更要望に迅速に対応できる柔軟なシステムを求めていた同工場に最適なソリューションだったという。
また、プロジェクトにIT領域に精通したメンバーが少なかったことから、提案やサポートが充実していて伴走支援が可能であり、かつ、データ利活用の負担を軽減する仕組みを重要視していたこともあって、データ連携や活用に実績を持つDSF Cycloneを選定した。
導入後は、設備の稼働状況や異常発生をスマートフォンなどから迅速に把握できる環境が整備されたことから、適切な人員対応が可能になり、作業効率向上を実現。さらに、データ収集によってトラブルの原因を迅速に特定可能になり、迅速な対策が行えるようになったとした。加えて、原料補充タイミングの予測など、データを活用して事前計画を立てられるようになり、生産の効率化にも寄与したとしている。
今後は、DSF Cycloneを活用することで、DX人材を社内で育成し、内製化をさらに進める考え。同社ではこれによって、現場の要件変更に迅速に対応できる体制を整え、コスト削減と迅速な対応を図る考えだ。
また、収集したデータの利活用をさらに進め、現場の効率化や生産性向上につなげる取り組みを強化することで、より精度の高い生産計画やトラブル対応につなげていくほか、現在のシステムをさらに改善し、新たな機能やデータポイントの追加を行うことで、より多くの情報をリアルタイムに把握できる環境を整備する計画である。