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アカマイ、マクニカソリューションズと国内初のDistributor契約を締結 チャネルビジネス拡大とソリューション販売の強化図る

 アカマイ・テクノロジーズ合同会社(以下、アカマイ)とマクニカソリューションズ株式会社は6日、アカマイにおいて国内初となるDistributor契約を締結したことを発表した。同日に行われた発表会では、今回の戦略的パートナーシップの狙いや今後のビジネス展開について説明した。

写真左から:アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長の日隈寛和氏、マクニカソリューションズ 代表取締役社長の畠山義秀氏

 アカマイは、コンテンツデリバリネットワーク(CDN)から始まり、WebとAPIの保護やゼロトラストセキュリティのソリューションでビジネスを拡大してきた。世界130カ国の4100カ所以上に設置されたサーバーで構成される、世界最大規模の分散型プラットフォーム「Akamai Connected Cloud」を通じて、コンテンツ配信やクラウドセキュリティサービスを提供している。近年では、マイクロセグメンテーションやAPIセキュリティに加えて、クラウドコンピューティングのポートフォリオも拡大しており、今後はさらにセキュリティからコンピューティングまでカバーする包括的なクラウドサービスの提供を目指している。

 一方、マクニカソリューションズは、マクニカグループにおいて、ネットワーク機器やソフトウェアなどを導入から運用までワンストップで提供する、ソリューションプロバイダーの役割を担っている。これまで多くの企業にITシステムを提案し、サイバーセキュリティやデータ、DXアプリケーションなどのソリューションの取り扱い実績がある。中でもサイバーセキュリティ領域では、自社で網羅的な対策を検討することが難しくなっている顧客に対して、様々な製品を組み合わせて提案することで、伴走型で支援してきた。

 今回、アカマイの幅広いポートフォリオと、マクニカソリューションズのセキュリティに対する知見や顧客の課題からベストなソリューションを組み合わせて提供してきた経験を掛け合わせることで、セキュリティやクラウドインテグレーションに関して、顧客の環境に合わせて最適な支援ができる体制を強化していく。

アカマイ・テクノロジーズとマクニカソリューションズの戦略的パートナーシップ

 アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長の日隈寛和氏は、マクニカソリューションズと国内初のDistributor契約を締結した狙いについて、「日本市場におけるチャネルビジネスの拡大」と「ソリューション販売の強化」の2点を挙げた。「現在、国内でのパートナー経由のチャネルビジネスは売上全体の半分に達していないのが実状だ。今後、国内の売上をさらに加速して伸ばしていくためには、力強いパートナーが必要だと考えた。マクニカグループは、私がアルテラ日本法人社長時代にパートナーとして国内のビジネスを立ち上げた実績がある。また、『カスタマーファースト』『テクノロジーカンパニー』『コミュニティへの還元』など、企業の方向性についてもアカマイとの共通点が多くあると感じている。これを機に、将来的にはチャネルビジネスの比率を7割まで高めたい」としている。

アカマイ・テクノロジーズ 職務執行者社長の日隈寛和氏

 ソリューション販売の強化については、「当社の製品ポートフォリオが広がり、エンタープライズセキュリティの領域に入ると、顧客に対する構築・運用支援サービスやマネージドサービスが求められるようになってきた。今回のマクニカソリューションズとのDistributor契約は、これらのソリューションを補完する狙いも大きい。世界最大規模のクラウドプラットフォームを提供し、世界的企業や業界アナリストから高い評価を得ている当社と、高度な技術力を持ち、国内で30社以上のチャネルパートナー、6000社超の顧客を有するマクニカソリューションズとの戦略的パートナーシップは、1+1が3以上になると期待している」と意欲を示した。

 アカマイとのDistributor契約にあたり、マクニカソリューションズ 代表取締役社長の畠山義秀氏は、「当社はマクニカグループにおいて、サイバーセキュリティを中心にDXアプリケーションなどを扱うネットワークスカンパニーの子会社の位置づけとなる。上流提案でのソリューションビジネスにフォーカスしており、顧客に適したシステムの戦略立案・要件定義から、最新の技術トレンドを取り入れたシステム構築、運用・保守までをカバーしている。今回のアカマイとの戦略パートナシップでは、まずは当社最大の強みであるエンタープライズセキュリティ領域で、国内でのビジネス拡大を支援していく」との考えを述べた。

マクニカソリューションズ 代表取締役社長の畠山義秀氏

 「アカマイをプラットフォームベンダーとして位置づけ、当初はアカマイのサイバーセキュリティ製品を国内でディストリビューションすることに力を注ぐ。将来的には、アカマイの製品を顧客がより使いやすいように、運用のみならずクラウドインテグレーションも含めた形でソリューション化して提供していくことを目指す。アカマイが持つ幅広い製品ラインアップと、当社のセキュリティソリューションプロバイダーとしての経験を生かし、顧客が抱える事業課題の解決に向けて邁進していく」と戦略的パートナーシップの取り組みについて説明した。

アカマイとの戦略的パートナーシップの取り組み

 今後の展開としては、マイクロセグメンテーション、APIセキュリティの普及や、マネージドサービスの開発・提供、コンピューティングビジネスの市場の立ち上げを両社で進め、顧客の事業課題に対してテクノロジーの側面から最適な解決策を提供していく方針だ。