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富士通とMETRON、企業のESG経営を支援するエネルギーマネジメントサービス「Energy Consumption Optimization」を提供

 富士通株式会社と仏METRON SAS(以下、METRON)は22日、製造業におけるカーボンニュートラルの実現に向けた戦略的提携を締結したと発表した。提携に基づき、富士通の最先端技術とMETRONのエネルギー管理の専門知識といった両社の強みを組み合わせ、従来難しかった環境改善と生産性向上の両立を可能にするエネルギーマネジメントサービス「Energy Consumption Optimization」を共同開発し、日本市場への提供を開始した。

 富士通は、企業のビジネス成長と社会課題の解決を目指す事業モデル「Fujitsu Uvance」のもと、生成AIを活用した施策提示で経営の意思決定を支援するESG Management Platformの提供により、企業のESG経営を実現するとともに、投資家やステークホルダーからの信頼を獲得して長期的な成長の貢献に取り組んでいる。また、今回の提携締結に先立ち、富士通はMETRONに対し、子会社の富士通ベンチャーズ株式会社が運用するファンドを通じて2023年3月に出資を行い、両社の連携を深めてきた。

 METRONは、産業の脱炭素化に向けたエネルギーマネジメントソリューションを専門とするクリーンテクノロジー企業で、エネルギーマネジメントツール「Energy Management and Optimization System」とエネルギーに関する専門知識を駆使して、工場内のさまざまな製造設備のエネルギー使用量可視化と運用効率化を実現している。

 共同開発したEnergy Consumption Optimizationは、富士通がESG Management Platformで培ったESG経営を実現するためのノウハウと、量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」および、METRONのEnergy Management and Optimization Systemを組み合わせることで、従来難しかったエネルギーコスト削減と生産性向上の両立を可能にする。

 具体的には、Energy Management and Optimization Systemにより各種設備の電力情報を可視化し、それを基に、富士通のデジタルアニーラにより設備の電力使用量や電気料金、生産量や生産にかかる時間などのさまざまなデータを活用して、消費電力やピーク電力、生産効率といった複数の指標に基づいて高速にシミュレーションを行い、環境に配慮した最適な生産スケジュールを策定することで、タイムリーな経営判断を支援する。

 今後、両社はEnergy Consumption Optimizationをドイツでも提供し、展開地域を拡大するとともに、GHG排出量が多い製造工場だけでなく商業施設やオフィスにおけるエネルギー情報の可視化や電力消費量のエネルギー最適化などユースケースを拡大すると説明。両社は顧客とともにカーボンニュートラルの実現に向けた社会課題の解決に取り組み、より豊かで暮らしやすい社会の実現を目指すとしている。