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IIJエンジニアリング、複数の携帯回線や衛星回線を組み合わせて一時的な通信需要増に対応する「マルチアクセスソリューション」を提供

 株式会社IIJエンジニアリングは10日、イベント会場などで快適なインターネット接続環境を構築する「マルチアクセスソリューション」を提供開始した。

 マルチアクセスソリューションは、大規模イベントやコンサートなど、多くの人が集まることで一時的に通信需要が増加する環境において、複数の携帯キャリア回線や衛星ブロードバンド通信サービスを組み合わせ、最適な回線で接続することで、快適なインターネット接続環境を提供する。

 大規模なコンサートやイベントの会場など局所的、一時的に多くの人が集まる場所では、携帯キャリア回線に輻輳(ふくそう)が生じることで通信速度が低下し、電子チケットの確認やその他リアルタイム通信が必要なアプリケーションを利用しづらくなることがある。こうした通信品質の低下は、来場者の満足度・利便性の低下だけでなく、運営スタッフの業務にも影響を及ぼすなど、昨今のイベント運営における課題となっている。

 しかし、イベント期間中の通信需要にあわせて固定回線を常設すると、維持コストが重くなるという問題があるほか、モータースポーツが行われるサーキットなど市街地から離れた会場では、そもそも固定回線を引くこと自体が難しい場合があるといった問題があるという。

 そこでマルチアクセスソリューションでは、複数のモバイル・衛星通信回線から最適な経路を自動判別し、高品質なIIJバックボーン経由でインターネットに接続する通信環境をパッケージしてイベント会場に提供する。

 標準的な構成として、IIJモバイルサービス/タイプD(NTTドコモ回線)、タイプK(KDDI回線)、および衛星ブロードバンド通信サービスを用い、専用のルーター(Peplinkマルチ回線ルーター)が混雑や遅延の少ない回線を自動で選択して通信することで、快適なインターネット接続を実現する。オプションとして、Wi-Fi接続の提供、機材の設置や撤去などにも対応する。

導入イメージ

 マルチアクセスソリューションは、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SUPER FORMULA)を主催する株式会社日本レースプロモーション(JRP)に先行採用され、鈴鹿サーキットで開催されたSUPER FORMULA 第1戦(2024年3月9日~10日)のレース視聴サービス「SFgo」イベントブースで活用された。固定回線の敷設が難しく、大勢の観客が集中し、携帯キャリア回線が混雑しやすいというレースイベント会場ならではの課題を解決し、インターネット経由で快適なレース視聴ができる通信環境を提供した。

 マルチアクセスソリューションの参考価格は、同時利用ユーザー数30人、通信量50GB、利用期間2日間を想定した場合で20万円(税別)から。