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HPE、HPE Alletra Storage MP上に構築されたブロックストレージ「HPE GreenLake for Block Storage」リリース3を提供

 日本ヒューレット・パッカード合同会社(以下、HPE)は26日、ストレージ製品「HPE Alletra Storage MP」上に構築された、「HPE GreenLake for Block Storage」リリース3の提供開始を発表した。

 HPE GreenLake for Block Storageは、分散型のストレージアーキテクチャをベースとして、HPE GreenLakeプラットフォームを通じて運用を管理でき、100%のデータ可用性を保証するブロックストレージ。ミッションクリティカルなワークロード向けに、オンプレミスでのクラウドエクスペリエンス、効率的な拡張性、優れた耐障害性(レジリエンス)とパフォーマンスを提供する。

 HPEでは、ブロックストレージを共通のソフトウェアおよびハードウェアスタック上で統合、標準化、簡素化する取り組みを進めており、リリース3はその進展を象徴するものだとしている。

 HPE GreenLake for Block Storageリリース3では、分散型ストレージの新しいマルチノードスイッチドモデルにより、2倍のパフォーマンスと2.5倍の容量を実現する。また、AIベースのパフォーマンスレポートとアナリティクスの拡張による、よりシンプルなクラウド管理エクスペリエンスの他、新しい「データ圧縮4倍保証プログラム」により、コスト効率の向上を支援する。

 さらに、NVMe for Ethernetネットワークの性能を最大に引き出すため、既存のファイバーチャネルとしてサポートしているNVMe-oF/FCおよびiSCSi接続オプションに、NVMe-oF/TCPサポートを追加した。

 HPE Alletra Storage MP上に構築されたHPE GreenLake for Block Storageリリース3では、ブロックストレージのアーキテクチャを再考した、分散型で、スケールアウトできる共有型ストレージを実現すると説明。分散は、標準化された構成可能なビルディングブロックで実現。ビルディングブロックは、コンピュート(コントローラノード)と容量(NVMe拡張シェルフ/JBOF)で構成され、高速で冗長性のあるNVMe-OFバックエンドスイッチファブリックによって相互接続されている。

 拡張性については、リリース3では最大8台のJBOF拡張シェルフのサポートが追加され、15.36TBから約2.8PBまで無停止で拡張できる。エンクロージャあたり8〜24台のSSDをサポートし、ドライブのアップグレードは、2ドライブ単位、JBOFは1台単位で行えるため、きめ細かな容量のアップグレードにより、効率とコスト削減を図れる。

 アプリケーションの高速化に向けては、リリース3では、16コアまたは32コア構成を選択できる、新しい2コントローラノードと4コントローラノードのスイッチモデルが新たに加わった。既存の2コントローラノードスイッチレスモデルのラインアップに加わり、パフォーマンスも最大2倍に向上させられるとしている。

 さらに、AI主導の単一障害点(SPOF)がないプラットフォーム上に構築された常時稼働型のサービスとして、ミッションクリティカルなアプリケーションに対して100%のデータ可用性を保証すると説明。リリース3では、クラスタ内の複数のノードが失われた場合でも予測可能なパフォーマンスを実現するとしている。

 管理面では、リリース3ではストレージの最適化にあたって、顧客による推測作業の手間を省くことに尽力しており、AIベースのパフォーマンスレポートとアナリティクスを強化・拡張し、トラブルシューティングとインサイトを改善していると説明。レポート機能の主な強化点として、ボリュームセット別のヘッドルーム利用傾向分析、レイテンシ別のトップボリュームセット・ホットスポット、ワークロードドリフト検出機能の向上、リソース競合の検出などがあり、また、容量のレポーティング、容量の節約、効率性指標も改善し、新たに電力消費傾向を含むサステナビリティ指標を提供する。

 ストレージ容量については、リリース3では、すべての圧縮可能なデータについて、実行容量と有効容量の比率である4:1のデータ圧縮率を保証する。達成できなかった場合、HPEはデータ効率に関する専門知識、目標とするデータ効率に到達するために必要なストレージ容量の追加、またはその他の補償について判断し、提供する。保証はサポート契約の期間中有効となる。

 この新しいHPE Store More Guaranteeは、ワークロードの効率性を担保し、物理ストレージコストの削減、エネルギーの節約、データセンターのフットプリント削減を支援すると説明。HPEは、顧客の要望に応じて、有効容量を1年間保証するカスタマイズされた保証も提供する。