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IBMとSAP、消費財・小売業界向けのAIソリューション開発で協業

 米IBMは現地時間11日、消費財・小売業界の企業向けのサプライチェーン、財務業務、販売やサービスの強化を支援する、生成AIを活用したソリューション開発において、独SAPとの協業を発表した。

 IBMとSAPは、テクノロジーに関する専門知識を共有しており、ビジネスに特化したAIとデータのプラットフォームであるIBM watsonxとAIアシスタント製品のSAPソリューションへの組み込みを完了したと説明。IBM Consultingは、SAPとの協業のもと、店舗直送のビジネスプロセスや、商品ポートフォリオ管理の複雑性への対処に重点を置いた、生成AIおよび従来型AIを活用した新しいソリューションを開発するとしている。

 既に、IBM ConsultingとSAPは、世界中の消費財業界の顧客と協力し、SAP Direct Distributionソリューションと、統合可能な安全でスケーラブルなAIソリューションを構築するための詳細な要件を収集していると説明。開発予定のソリューションは、消費財企業、卸売業者、小売業者が、店舗レベルの品ぞろえをより効率的に管理し、商品流通の改善、収益増加の促進を目的にするとしている。

 輸送計画と運行の強化では、IBMはSAP Direct Distributionソリューションに、天候、交通、地域イベントなどの外部データを送り、AIを適用して消費財企業が最適な店舗配送ルートを特定し、コストやカーボンフットプリント削減の支援を計画している。情報はリアルタイムで更新され、その情報をもとにドライバーは地域の状況に応じて、配送ルートを臨機応変に変更できる。

 店舗レベルでの品ぞろえの最適化では、IBMは各店舗の市場動向、過去の販売パターン、需要予測や現在の商品構成に基づいて、店舗レベルで品ぞろえができるよう、AIおよび生成AIの適用を計画している。このソリューションは、具体的なお薦め商品の提案ができるようにすることを目指しており、売り上げの最大化と商品廃棄最小化に向けた、店舗の品ぞろえに十分な商品を追加するための事前計画なども含まれる。

 注文決済の自動化では、店舗への直接配送が複雑なため、取引の自動決済が妨げられるという課題に対して、IBMはSAPと協業し、自動化とインテリジェントワークフローを使用して業務効率を向上し、SAP Direct Distributionのラストワンマイル配送コンポーネントのAIに基づいて、決済精度の向上を支援するソリューションを開発する。

 IBM Consultingは、これらのソリューションをSAP Business Technology Platform(SAP BTP)上に構築し、APIを通じてwatsonxと統合する予定。倉庫計画担当者、最前線にいる配送担当者、顧客担当者は、watsonx Assistantを活用したIBMの会話型検索機能を活用したチャットボットの開発により、充実したユーザー体験を得られるとしている。