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NTTドコモ、流通小売企業向けマーケティングDX支援プログラム「ドコモリテールDXプログラム」を提供

 株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は25日、流通小売業におけるバリューチェーン全体のマーケティングをサポートする「ドコモリテールDXプログラム」を提供開始した。

 ドコモリテールDXプログラムは、ドコモが保有する9600万を超えるdポイントクラブ会員の属性情報や位置情報などの各種データ(以下、ドコモデータ)と、d払い/dポイント加盟店である流通小売企業が保有するID-POSデータ(購買情報)を、顧客から同意を得ている範囲で組み合わせ、ドコモの独自AIエンジン「docomo Sense」を活用して統計化し、集客支援や店舗仕入れの最適化など流通小売企業それぞれに最適なソリューションを組み合わせて、バリューチェーン全体の課題解決をサポートする。

 商圏および顧客の可視化・分析を行うダッシュボードや、ドコモの子会社である株式会社DearOneが提供する流通小売企業の会員アプリ開発サービス「ModuleApps2.0」、アプリを活用した広告配信サービスにより広告収入を得られる「ARUTANA」なども合わせて提供する。

 これらについて、株式会社インテージホールディングス(以下、インテージ)のデータ分析・インサイト導出力や、株式会社フェズの知見を生かし、集客支援や、店舗ごとの商品仕入れの最適化など、マーケティング活動を実行支援する。

 リテールDXダッシュボードとして、ドコモデータとdocomo Senseを活用し、統計情報の形で、商圏および顧客の可視化や、顧客のプロフィール/ライフスタイル/ライフステージごとでのさまざまな分析が可能なダッシュボードを提供する。効果的な集客・販促施策、新規出店候補地のポテンシャル分析など、流通小売企業のマーケティングに活用できる。

 さらに、流通小売企業が保有するID-POSデータ(購買情報)と、ドコモデータを顧客から同意を得ている範囲で連携することにより、商品・カテゴリ別の売り上げ分析、商品軸での顧客分析、販促施策の効果検証など、店舗運営に必要なデータ分析をワンストップで提供する。このダッシュボードは、ID-POSデータを常時連携できるd払い/dポイント加盟店は無料で利用できる。

 DearOneが10月25日に提供開始する「ARUTANA」は、メーカー企業などが、流通小売企業が提供する会員向けアプリ面に対して、横断的に広告を配信できるサービス。PoCでは高い効果が確認できているとしており、サービス提供開始時点では13社、9276店舗、1427万MAUのユーザーに対して広告が配信可能となっている。広告配信ネットワーク拡大のため、ModuleApps2.0導入企業のアプリに「ARUTANA」モジュールを標準搭載することに加えて、外部アプリ向けにSDKを提供している。

 流通小売企業1社のアプリだけではリーチ力が限られる場合でも、「ARUTANA」に参画することで、DearOneが各流通小売企業のアプリを束ね、消費者がアプリを開くことの多い店頭など、購買検討タイミングでの広告配信を行える。また、流通小売企業には、広告主であるメーカー企業などからの広告収入の一部が還元される仕組みとなっており、流通小売企業の新たな収益機会の創出に貢献するとしている。

 さらに、リテールDX実行支援サービスとして、業界最大級の商品情報データベースおよび小売店パネルなどを通じて、マーケティング支援事業を提供しているインテージ、リテールデータを活用してリテールDX支援を推進するフェズとの業務提携を通じて、流通小売企業に対して、バリューチェーン全体の最適化を支援するワンストップの実行支援サービスを提供する。

 インテージとの取り組みでは、ドコモが保有するdポイント会員のデータを連携して、インテージのデータ分析力で価値化することで、流通小売企業が抱えるさまざまな課題に対して、課題解決のためのインサイトの導出から、分析・マーチャンダイジング・店舗オペレーション・広告・販促を通じ、収益化を実現するトータル事業支援サービスの提供を目指す。

 さらに、フェズの知見を活用し、流通小売企業の課題解決に向けた、ドコモのdポイント会員データと、流通小売企業データとのより効果的な連携手法の開発と、企画力・実施力の強化を実現するとしている。なお、ドコモはフェズと、業務提携契約を9月26日に締結しており、これに関連して、ドコモの子会社である株式会社NTTドコモ・ベンチャーズは、同社が運用するファンドを通して、フェズへの出資を行っている。

 ドコモは今後も、ドコモリテールDXプログラムを拡充していくことで、店舗と顧客をつなぎ、流通小売企業の発展および業界全体のマーケティングDX化に貢献していくとしている。