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マイクロストラテジー、BIに生成AIを統合した新製品「MicroStrategy ONE」を投入
2023年10月23日 06:00
マイクロストラテジー・ジャパン株式会社は、生成AI機能を搭載したBIプラットフォーム「MicroStrategy AI」を日本国内で提供すると発表した。生成AIとBIを利用するためのプラットフォーム「MicroStrategy ONE」を提供し、プラットフォームからMicroStrategy AIの各機能を利用することができる。主な機能は、大規模言語モデル(LLM)と生成AIを活用した、セルフサービス分析、AIを用いて詳細なダッシュボードを迅速に作成する機能、データベースへの問い合わせの簡素化、AIチャットボットなどがある。
米MicroStrategy エグゼクティブ バイスプレジデント兼最高製品責任者のサウラブ・アバヤンカール氏は、「世界のどこに行ってもCIO、CTOはテクノロジーを活用しどう競合とのビジネスに勝つのか?という話題になる。競合と勝つためにスキルを身につけるには時間がかかるが、新製品を利用してもらうことで短時間に分析を行うことが可能になる」とアピールした。
MicroStrategy AIにはパーソナルAIアシスタント「Auto」が搭載され、ユーザーのさまざまなBI利用をサポートする。開発者、レポート開発者、技術やBIの専門家ではない現場担当者など、あらゆる人のBI業務をサポートし、従来に比べBIを容易に利用できるようになった。
「Autoダッシュボード」は、AIを用いた自動化によって詳細なダッシュボードを迅速に作成するAIコラボレーター。現在のダッシュボードに基づいて積極的に質問を提案し、オートコンプリート機能を用いて関連するオブジェクトを特定することにより、問い合わせプロセスを簡素化する。
またデータセットを解析し、ダッシュボードの画面を提案して自動作成してくれるほか、任意の質問を入力することも可能で、ダッシュボード作成者の業務を支援し、開発工数を大幅に削減するという。質問から、洞察に基づいたデータポイント、サマリー、または予測やキードライバー分析を含むビジュアライゼーションに変換することができる。
「Auto SQL」は、アーキテクト向けに作成されたもので、データベースへの問い合わせプロセスを簡素化する。自然言語の問い合わせをSQLクエリに変換し、テーブルの作成、結合などを可能に、生成されたSQL文の背後にあるロジックを理解しやすい言語で説明する。技術への知見がない人でもデータベースを活用することができる。
「Autoアンサー」は、従来のセルフサービス分析を大きく変革する機能。生成AIを活用することで、データと自然言語で会話可能となり、質問すると即座に文脈に関連した回答を受け取ることができる。回答はデータポイント、要約、ビジュアリゼーションでわかりやすい内容となっているほか、ダッシュボードで答えられない質問に対しても素早く答え、データに基づいて質問の提案を行う。こうした仕組みにより、ダッシュボードを閲覧している人のスキルを問わずにデータ活用可能になるとのこと。
「Autoエキスパート」は、MicroStrategyのリソースや学習教材へのアクセス方法を再定義する。AIチャットボットで、ユーザーの問い合わせに基づいた回答、リソースを表示する。マイクロストラテジーのサイト上から無料で利用することができる。
クラウドも主要メガクラウドにすべてに対応している。LLMは、現在、Azure OpenAIを活用しているが、今後は対応するLLMを拡大する計画となっている。
アバヤンカール氏は、「生成AIを活用することですべての社員の生産性が向上する。例えば、これまではカスタマーサポート部門に問い合わせをしなければ判明しなかったことが、データさえ整っていれば、分析を必要とする人が問い合わせをすることなく自分で分析し、答えを得ることができるようになる」とデータを活用し、分析するやり方が大きく変わるだろうと指摘する。
米MicroStrategy バイスプレジデント兼アジア太平洋地域・日本担当ゼネラルマネージャーのローネン・ネイシュタイン氏は、「AIチャットボット機能がBI利用を変える鍵となる」と指摘する。「AIチャットボットによって、これまではBIツールを利用していなかった現場担当者が、直接分析を行い、答えを出すことができるようになる」。
2023年9月に日本のカントリーマネージャーに就任した三ツ谷直晃氏は、「入社して驚いたのは本社が設立して34年、日本に法人ができて20年、社歴が長い社員が多いこと。これが、ユーザーやパートナー企業から高い信頼性を得ている要因のひとつとなっているのではないか。2023年はGo-To-Market戦略を進めていくが、特にAI活用によってBI利用の際の生産性を上げ、さらに導入社数も拡大を目指したい」と話した。
自然言語によるBIを利用できるようになることで、「従来の大企業だけでなく、中小企業など新たな顧客層にも利用企業層を拡大できるのではないか」と、アバヤンカール氏は強調した。