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CTC、クラウドカメラを用いたイチゴの生育分析に関する実証実験を愛知県で開始

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は11日、株式会社ソラコムのクラウドカメラサービス「ソラカメ」を活用し、愛知県のイチゴの新品種「愛きらり」の生育分析の実証実験を、9月から12月まで実施すると発表した。圃場に取り付けたカメラでイチゴの生育状態を定点計測するとともに、クラウド上で収集したデータを分析し、最適な栽培条件を検証する。

 今回の実証実験は、「愛きらり」の栽培工程の効率化や、出荷の安定化を図るのが目的。「愛きらり」の栽培農家と協力して、愛知県内の6つの圃場内に設置したカメラにより、時間の間隔を空けて画像を撮影し、イチゴの株や葉の大きさ、果実の大きさ、色づき、数などを記録する。生育や出荷実績、環境センサーで取得した気象データなどと、こうして記録したカメラの画像データを照合し、収穫期間中の最適な栽培環境を導き出すとした。

 圃場の撮影には、ソラコムのクラウドカメラサービスであるソラカメを採用し、対応カメラを1圃場あたり2台を設置する。撮影された圃場のデータはクラウド上に自動で保管され、スマートフォンで確認したり、遠隔操作で撮影タイミングを変更したりすることが可能。時系列の変化や気象条件や栽培管理の異なる圃場ごとの違いを比較し、開花から収穫するまでの日数や肥大の程度、出荷基準に満たない果実の発生頻度など、形状の変化をデータ上で閲覧できるので、より精度の高い分析が可能になるとのこと。

 なおCTCでは、カメラの設置やデータの収集と加工、愛知県や生産者へのアプリのトレーニングを提供。今回の実証実験で収集したデータを基にして、最適な栽培環境を探り、栽培工程の効率化に貢献するとしている。

愛知県のイチゴの新品種「愛きらり」の圃場イメージ
圃場に設置するソラカメ対応カメラ