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Sansan、「5分で読める業界動向」などGPTを活用した2つの新機能をSansan Labsで提供

 Sansan株式会社は27日、営業DXサービス「Sansan」上で実験的な機能を提供する「Sansan Labs」において、GPTを活用した新機能を追加したと発表した。

 Sansan Labsでは、ビジネス課題の解決に役立つデータを提供すべく、Sansan社の研究開発部が開発した実験的な機能を提供しており、「Sansan」ユーザーに無料で公開している。今回はその中で、1)5分で読める業界動向と、2)AI企業検索 -経営方針・経営課題-の2つの機能を実装した。

 1)は、GPTが業界の課題や市場環境を抽出する機能。検索したい業界を選択すると、業界内の企業の有価証券報告書から、業界の課題や市場環境に関する内容を抽出し、要約して表示してくれる。また、業界内の売上高ランキングを最大10社表示し、Sansan上で企業詳細を確認できるほか、「5分で読める有価証券報告書」機能から有価証券報告書の要約を閲覧することもできる。

 営業活動におけるターゲット業界の選定や商談前の情報収集では、コーポレートサイトや業界紙で直近の動きを確認したり、検索エンジンで関連ワードを検索したりといった事前準備が重要となるが、この機能を利用すると、業界ごとの外部環境や課題、見通しをすぐに把握できるため、営業準備の業務効率化を実現するとしている。

5分で読める業界動向 画面イメージ

 一方の2)は、特定の経営方針・経営課題を持った企業を検索する機能。例えば、「SDGsに注力している企業」や「DXを推進する製造業の企業」と入力すると、GPTが有価証券報告書の内容を分析・検索して、該当の記述がある企業をリストアップする。

 通常、自社の製品・サービスを売り込むために、潜在顧客にヒアリングを行って課題を抽出したり、ウェブサイトなどの公開情報から顧客課題を分析したりしようとすると、時間と手間がかかってしまうが、この機能を利用すると、有価証券報告書の内容をGPTが分析することにより、自社の製品・サービスと適合する経営方針・経営課題を持つ企業のリストが簡単に作成できるとのこと。

 Sansanでは、これにより、営業戦略を精緻化するとともに、営業アプローチのためのリスト作成にかかる工数を削減できると、そのメリットを説明している。

 なおいずれの新機能も、日本マイクロソフトの生成AIサービスである「Azure OpenAI Service」を利用して提供される。

AI企業検索 -経営方針・経営課題- 画面イメージ