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IIJ、Azure OpenAI Serviceの有効性を検討・評価するためのセキュアな環境を迅速に構築するサービス

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は20日、Microsoft AzureのPaaSを活用してPoC環境を構築し、利用企業のビジネス創出を支援する「IIJ PaaS活用ソリューション with Microsoft Azure」において、Azure OpenAI Serviceを活用した生成AIの導入ソリューション「IIJ PaaS活用ソリューション with Microsoft Azure(OpenAI)」を提供開始すると発表した。

 Azure OpenAI Serviceは、OpenAIの生成AIサービス「ChatGPT」で使用されているものと同等の生成AIを提供する、Microsoftのクラウドサービス。Microsoft Azureのセキュリティ機能や監査機能により、データ漏えい対策、きめ細かいユーザー統制に対応するなど、企業利用に適した環境で生成AIを利用できる点を特徴としている。

 しかし一方で、入力のためのチャットインターフェイスや、チャット文脈を理解させる会話履歴データベースが標準では用意されていないなど、円滑に導入を進めるためには、環境の初期構築に加え、Azure OpenAI ServiceとMicrosoft Azureの知見が必要になるという。

 今回発表された新サービスは、このような不足機能を補い、Azure OpenAI Serviceの有効性を検討・評価するためのセキュアな環境を迅速に構築するもので、検証・評価後のビジネスへの本番適用を見据えた改善サポートまでを一元的に提供する。企業はこのソリューションを利用することで、Azure OpenAI Serviceを円滑に導入でき、セキュアな生成AIの検証およびビジネスへの活用検討をスピーディに進められるとした。

 Azure OpenAI Serviceの利用に必要な環境構築はIIJが実施し、企業は約1カ月で利用を開始できるとのこと。またチャットインターフェイスとしてMicrosoft Teamsを活用するため、Microsoft Teamsでのビジネスチャットと同じ環境でAzure OpenAI Serviceの生成AIを利用可能になる。会話履歴のデータベースやその他の構成要素はMicrosoft Azure上に用意され、Azure OpenAI Serviceとのセキュアな連携を実現するとともに、情報漏えいを防止するとした。

 なおIIJは、Microsoftの公式パートナーとして各種認証を取得しており、企業の社内ネットワークとMicrosoft Azureの閉域接続でも多くの提供実績を持つとのこと。今回のソリューションでは、実際にこれまで顧客企業に導入してきた実績で培ったナレッジをもとに、禁止ワード設定や利用者のログ保持閲覧など、エンタープライズ利用で求められる機能を提供するとしている。

 価格(税別)は、検証環境の構築および利用開始時のサポートなどが含まれる初期費用が150万円、構築した環境のシステムサポート費用となる月額費用が20万円。別途、別途Microsoft Azureの利用料(従量課金)が発生する。

 このほか、IIJが蓄積したノウハウや知見をもとに、ソリューション導入後も、企業のビジネスへの展開を見据えた評価や社内システムとの連携、回答精度の改善、社内ワークショップの開催など、各種サポートをオプションとして提供する。