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CTC、量子コンピューティングの活用に向けたサービス「CUVIC for Quantum」を提供開始

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は29日、量子コンピューティングの活用に向けたサービス「CUVIC for Quantum」(以下、CUVIC-Q)を提供開始したと発表した。今回は第1弾として、IBM Cloud上から利用可能な量子プログラム開発用サービス「Qiskit Runtime」を提供する。組み合わせ最適化やシミュレーション、機械学習、セキュリティなど、幅広い分野での実用化をサポートできるという。

 CUVIC-Qは、量子コンピューティングの活用を支援するサービス群。量子コンピューティングサービス、量子コンピュータ向けのアプリケーション、複数の量子コンピュータを束ねるクラウド型プラットフォームとマネージドサービス、人材教育サービスなどを含めて提供する予定とした。

 今回はまず、IBM Cloud上から利用可能な量子プログラム開発用サービスのQiskit Runtimeを提供する。IBMの量子コンピュータ技術は、100超の量子ビット規模を用い、特定の物理システムの正確なモデル化において、量子コンピュータが古典アプローチを超えることを初めて実証したブレイクスルーが発表されるなど、実用化に向けた取り組みが進んでいるとのことだ。

 なおCTCでは、2017年から、量子コンピュータの利用についてアプリケーション開発を含めた研究開発に取り組んでおり、2022年6月には、風力発電における風車配置の最適化について、量子コンピューティングの実用性を検証した。

 こうした知見をベースに、化学分野に特に注力して量子アルゴリズムの研究開発をしているQunaSysや、数理最適化などの専門分野に関して高度なスキルを持つパートナーとの提携も進め、量子コンピュータ上で稼働するアプリケーションを開発していくとしている。

 今後CTCは、クラウド型量子コンピューティングサービスの拡充を図り、複数の量子コンピュータを束ねて、計算する内容に応じて量子コンピューティングのリソースを使い分けられるプラットフォーム、マネージドサービス、人材教育サービスなどのプロフェッショナルサービスの開発も進める考えだ。

 また同社は、複雑化・高度化するシステム運用の負荷低減や、セキュリティ強化を支援するオープンハイブリッドクラウド統合基盤サービスを「OneCUVIC」というブランド名で展開している。今回発表されたCUVIC-Qもその一環で、マネージドサービス、マネージドセキュリティサービスをクラウド型量子コンピューティングサービスに付加することで、安心して活用できる環境を整えるとのこと。