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帝人ヘルスケアとNTT Com、AI自動音声応対を活用した医療用酸素ボンベの注文受付サービスを開始

 帝人ヘルスケア株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は5日、在宅酸素療法(HOT: Home Oxygen Therapy)で治療を受ける患者さんからの、医療用酸素ボンベの注文電話を、AIによる音声で自動応対するサービスを6月19日に開始すると発表した。従来のオペレーターによる応対に加えて、NTT Comの「COTOHA Voice DX Premium」を活用したAIによる自動電話対応サービスを提供することで、帝人ヘルスケアのコンタクトセンターにおける電話対応の利便性を高め、利用者満足度のさらなる向上を目指す。

 帝人ヘルスケアでは、酸素濃縮装置、液化酸素および酸素ボンベを用いて、自宅で高濃度の酸素吸入をする治療法のHOTで使用される医療機器のレンタル事業を展開している。

 NTT Comは、「Smart Customer Experience」を重点領域の一つとして推進しており、デジタルトランスフォーメーション(DX)によって顧客企業と顧客の接点の強化を支援している。

 HOTでの治療を受ける患者は、在宅時には酸素濃縮装置を用い、外出時や停電時には携帯用の酸素ボンベを使用する。帝人ヘルスケアでは酸素ボンベの注文受付のコンタクトセンターを設置し、受注対応を行っているが、休日や長期休暇の前後などには、突発的に注文の電話が集中することがあり、電話口での待機時間が発生する事が課題となっていた。

 両社は、このような課題を解決し、患者の利便性をさらに向上させるため、COTOHA Voice DX Premiumを活用したAIによる受注対応の仕組みを開発し、2021年9月から「酸素ボンベの注文受付自動化」の実証実験を実施してきた。

 開始するサービスでは、電話でオペレーターが対応するコンタクトセンター(平日9~17時)に加えて、24時間365日対応可能なAIによる酸素ボンベの自動注文受付専用ダイヤルを新規に開設する。緊急時以外の注文であっても常時対応可能になることに加え、オペレーターが対応するコンタクトセンターの待機時間を短縮することにより、患者の利便性向上を目指す。

 HOTで治療を受ける患者は高齢者であることが多いため、Webアプリなどでの注文よりも電話での発注を希望する人が大半となっている。サービスでは音声合成機能や意味意図解釈機能を活用することで、実際のオペレーターと電話で会話している感覚で注文できる。

 サービスと帝人ヘルスケアの顧客システムを連携させることで、AIによる受注電話の受付から発注業務までの一連の業務を自動化できる。また、音声認識機能を活用することにより、自動で応対履歴をテキストデータ化し、顧客システムに記録を残せる。

 帝人ヘルスケアとNTT Comは、サービスの利用状況を分析して継続的な品質改善に取り組むとともに、医療用酸素ボンベの注文受付以外の患者サービスにも活用することで、利用者の治療継続やQOL向上に、より一層貢献できるコンタクトセンターの実現を目指すとしている。

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