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アビームコンサルティング、財務経理の業務基盤としてBlackLineを導入

 ブラックライン株式会社は10日、アビームコンサルティング株式会社が、グローバルビジネスの拡大に対応する財務経理の業務基盤として「BlackLine」を導入し、稼働したと発表した。

 BlackLineは、経理業務プロセスの可視化、標準化、自動化、統制強化を実現する経理業務変革プラットフォーム。

 アビームコンサルティングでは、財務経理部門において、紙の帳票を使った手作業の多さが課題となっていたが、コロナ禍により業務変革の機運が一気に高まり、また、自社のグローバルビジネスの拡大に対応するために、コンプライアンスの順守や決算品質を維持しながら、本社経理を主軸としたグローバル経理体制の構築が求められるなど、質・量ともにレベルアップを図っていくことが急務となっていたという。

 こうした課題を解決するために、財務経理部門では業務をデジタル化し、組織全体のナレッジを蓄積するプラットフォームの構築が必要と判断し、請求業務や入金業務などの財務経理のオペレーション全般を効率化したい現場の視点と、グローバルでの業務の可視化と標準化を目指すマネジメント視点の両方のニーズを満たすソリューションとして、BlackLineが採用された。

 BlackLineの導入は、タスク管理の導入、仕訳入力とマッチングの導入、勘定照合と差異分析の導入の3つのステップで進められた。初年度のベースになる部分の開発では、BlackLineに知見のある社内のコンサルタント部門の協力を得ながらも、実業務への展開は財務経理部門主導でプロジェクトを進めた。

 2021年6月から実装を開始したタスク管理モジュールの導入では、それまでのBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)活動で財務経理業務のタスクが整理されていたこともあり、2カ月後の2021年8月に運用を開始。これまではベテランの経験知に依存していた業務の属人化が解消され、進捗状況が可視化されることで業務品質が向上した。また、早期の成功体験によって、導入プロジェクトの次のステップに高いモチベーションをもって臨めたという。

 2021年後半から2022年前半にかけては、仕訳入力とマッチングの2つのモジュールを導入。仕訳入力モジュールの活用により、紙伝票ベースの運用を廃止するとともに、承認権限の再整理を行い、債権の入金消し込み業務にマッチングモジュールを利用することで、現場のオペレーションが効率化された。以前は、毎月の最終営業日に集中する大量の入金を短期で一気に処理するため、数人がかりでも毎月末残業が発生していたが、入金消し込み処理の自動化により、約70%の大幅な工数削減を実現した。

 2022年度には、勘定照合と差異分析の2つのモジュールの導入がスタート。決算での照合業務や前払い費用の費用化処理などの効率化や標準化を実現した。

 アビームコンサルティングでは、本社の財務経理部門でBlackLineの活用方法の高度化と適用範囲の拡大に取り組みながら、今後は海外子会社への横展開を進める予定。海外拠点を含めたグループ全体の財務経理の業務プロセスを標準化し、一元化することで、目の前の効率化だけでなく、アビームコンサルティングが将来目指す姿に追随するサステナブルな財務経理を目指すとしている。