2021年度のIaaS／PaaS市場は1兆円を突破、2025年度には2兆円超に～ITR調査

　株式会社アイ・ティ・アール（以下、ITR）は7日、国内のIaaS／PaaS市場の規模推移および予測を発表した。

　国内IaaS／PaaS市場は、2021年度の売上金額が1兆1368億4000万円、前年度比25.3％増と推計。市場を構成するベンダーの7割弱が2桁成長となり、中でも上位ベンダーの好調な伸びが市場の成長に大きく寄与したとしている。

　市場動向については、従来はオンプレミス環境での運用を余儀なくされていたシステムも、技術的な進化と、ベンダーやSIerの蓄積されたノウハウおよび広範なサポートなどを背景に、徐々にIaaSへの移行が進んでいると分析。また、中堅・中小企業でもクラウド化が進んでおり、業種・業態や企業規模にかかわらず、今後もIaaSの導入が拡大するとして、IaaS市場は一部のメガクラウドベンダーによる寡占化が進んでいるが、これらのベンダーが市場を牽引している状況だとしている。

　PaaSについては、DXを推進するためのシステムを、迅速かつ低リスクで構築する基盤として導入が進んでおり、各ベンダーは主力商材のひとつに位置付け、常にサービスを強化・拡充し、企業の要求に応えるだけではなく、新たな需要を喚起しつつ拡販を進めていると分析。PaaS市場もIaaS市場と同様に、一部のメガクラウドベンダーに需要が集中する傾向にあるが、それらのベンダーが引き続き市場を牽引するとしている。

　これらのことから、ITRでは、IaaSとPaaSを合算した市場の年間平均成長率R（2021～2026年度）は16.8％、2025年度の市場規模は2兆円を超えると予測している。

aaS／PaaS市場規模推移および予測（2020～2026年度予測、出典：ITR）

　ITRのプリンシパル・アナリストである甲元宏明氏は、「DXやイノベーションでの新規アプリケーション開発や既存アプリケーションのモダナイゼーションにおいて、クラウドは欠かせないものとなっています。PaaSは、従来からあるプログラム言語／フレームワークのサービス提供という枠を超えて、いまやサーバーレス、Kubernetes、DevOps、IaC（Infrastructure as Code）などITインフラの先進テクノロジーの宝庫であり、PaaSをうまく活用できない企業は生き残りが困難になるといってもよいでしょう。国内企業のクラウド活用は、今後ますます盛んになることは間違いありません」とコメントしている。