ニュース

Dynabook、画像認識AI技術で作業不適合品の検出を行う「AI 不適合品検査システム」

自社のPC製造工場で稼働中の技術を生かして提供

 Dynabook株式会社は13日、自社のPC製造工場において稼働中の、画像認識AI技術の利用により作業不適合品の検出を行う「AI 不適合品検査システム」を、4月より製造業向けに提供開始すると発表した。また、作業者動作検知によって後戻り作業を削減する「AI 作業者動作検知システム」を今後提供する予定。

 AI 不適合品検査システムは、深層学習(ディープラーニング)で作成したモデルをエッジPCへ搭載し、確認対象を撮影することで、設定した基準をもとに自動判定を行うもの。判定後の確認対象のうち、良品が緑枠で、不適合部分が赤枠でそれぞれ表示され、検査対象リストにカーソルを持っていくと、対象が拡大表示される仕組みを備えている。

 なおこのシステムは、Dynabookが2017年より構想設計に取り組み、2019年に本格稼働を開始したもので、これにより、作業者スキルに頼っていた確認作業を自動化するとともに、確認も自動化されるため、確認作業者の負荷が軽減されるとした。同社の実績では、約100点の確認を行う場合、作業者が目視で行う場合と比べて約半分の時間で自動判定を行えたという。

DynabookのAI 不適合品検査イメージ(表記は日本語になる)

 一方のAI 作業者動作検知システムは、作業者の手と部品を動画撮影することで作業ミスをリアルタイムで検知し、管理者へ通知するシステム。これにより、後戻り作業を削減できるほか、各工程のタクトタイムを見える化することで、ラインバランス調整時間が削減されるとした。

 なおこちらも、深層学習で作成したモデルと作業手順をエッジPCへ搭載する形で提供される。同社の実績では、導入前後を比較すると生産効率の約5%アップを実現したとのことだ。

DynabookのAI 作業者動作検知イメージ(表記は日本語になる)