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ラック、サイバー事故からの復旧スピード向上に向けイスラエルSygniaと業務提携

 株式会社ラックは6日、サイバー救急センターの事故対応能力や、事故からの復旧スピードを向上させるため、イスラエルのSygnia Consulting(以下、Sygnia)と、原因究明調査・復旧などインシデントレスポンス分野における業務提携を締結し、サービス開発に取り組んでいくと発表した。

 業務提携では、Sygniaが独自開発した、クラウドを含む多様な環境に対応可能なインシデント対応支援ツール「VEROCITY XDR」(非商用ツール)を、ラックの事故対応業務に用いる。これにより得られるフィードバックを両社で検証し、Sygniaとサービス事業者であるラックの技術交流によって、事故対応オペレーションの技術面の改善・最適化を目指す。

 ラックでは、国内企業が有する海外拠点や、サプライチェーン企業のインシデント対応を行う場合、現地の法律や慣習の違いから、ラックが対応することが困難な場合があったと説明。事業提携では、Sygniaの北米、ヨーロッパ、東南アジアなど主要な地域拠点との連携により、国内企業の海外サプライチェーン組織で発生したサイバーセキュリティ事故対応における、協業体制の構築について検討を進めていく。

 また、両社間における相互の技術情報の提供により、新たなセキュリティ対策ソリューションの共同開発、インシデントレスポンスにおける事前契約型リテーナーサービスなど、これまで国内にはなかった新たな事業の創出を目指すとしている。

 ラックでは、インシデントレスポンスの初動で最も重要なのは、侵害を受けた箇所と侵害範囲の特定となるが、被害を受けた企業に採用されたセキュリティソリューションによっては、ソリューションベンダーに調査を委ねざるを得ない事例があり、その結果調査期間が長くなり、効率的な事故対応が行えなかったと説明。今後はすべての工程を自社内で迅速に実行すること目指し、インシデント対応技術と対応スピードの向上を実現するため、高度な技術を有するSygniaと相互の技術提携を進めていくとしている。