キヤノンの映像制作用リモートカメラ、アプリ追加によって機能を拡張可能に

　キヤノン株式会社とキヤノンマーケティングジャパン株式会社（キヤノンMJ）は、有償アプリケーションのインストールにより、映像制作用リモートカメラの機能を拡張する「アドオンアプリケーションズシステム」を、4月中旬より販売開始すると発表した。第1弾としては、「自動追尾アプリケーション RA-AT001」と「自動ループアプリケーション RA-AL001」の提供を予定する。価格はオープン。

　アドオンアプリケーションズシステムは、キヤノンの映像製作用リモートカメラにアプリケーションをインストールすることで、用途に応じた機能を追加できるようにするもの。サーバーやPCなどの外付けハードウェアではなくカメラ本体内でアプリケーションが動作するため、シンプルなシステム構成が可能で、高い応答性を実現するとした。

　第1弾として提供される「自動追尾アプリケーション RA-AT001」は、プレゼンターが登壇するイベントや講義などの配信において、指定した人物を自動追尾するもの。カメラ内で解析をするため追従性が高く、全身、上半身、バストアップといった自由度のある撮影画角で、ゆっくりした歩行から早歩きまで対応する。

　また、高精度なカメラのパン・チルト機構との相乗効果で、一般的なイベントや講義用途で想定される人物撮影に加え、映像制作用途で求められる低速での人物撮影でも、なめらかな自動追尾を実現するとのこと。加えて、「構図設定」「追尾感度設定」「優先表示領域」など、さまざまな調整項目を備えている。

イベントや講義配信での自動追尾のイメージ

　一方の「自動ループアプリケーション RA-AL001」は、イベント、インタビュー、スポーツの動画配信や、TVCM・映画の制作などにおいて、従来カメラマンが演出として撮影していた緩やかなパン・チルト・ズーム（PTZ）動作などを、繰り返し自動で行えるようにするもの。指定した複数の地点を巡回する動作と、往復する動作から選択可能で、地点ごとの停止時間を決める「ポジション設定」、移動速度などを決める「ルート設定」、「プレビュー」、「開始」などを、設定画面内で簡単に設定して実行できる。さらに、開始・停止時の加減速を調整するフェードモードによって、プロカメラマンのようなカメラワークが可能とした。

コンサート配信での自動ループのイメージ

　対象機種は、屋内型4Kリモートカメラの最上位モデル「CR-N700」で、今後は対象のリモートカメラおよび提供アプリケーションを拡充する予定。なお、4月中旬に提供あれる予定の新ファームウェア（無償）に更新すると、アドオンアプリケーションズシステムが利用可能になる。またいずれのアプリケーションも、PCのWeb設定ページから指示する必要があるとのこと。