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東芝デジタルソリューションズ、映像解析の学習済みAIモデル「SATLYS 映像解析AI」を提供

 東芝デジタルソリューションズ株式会社は14日、東芝アナリティクスAI「SATLYS(サトリス)」の新商品として、映像解析の学習済みAIモデル「SATLYS 映像解析AI」を提供開始した。

 SATLYS 映像解析AIは、防犯カメラや監視カメラなどの映像解析に利用できる、人物や物体の検出および追跡、骨格推定などの学習済み映像解析AIモデルを、クラウドサービス(クラウドAPI)で提供するとともに、オンプレミス用SDK(ソフトウェア開発キット)としても提供する。

 東芝デジタルソリューションズで検証したAIモデルを使用することにより、新たなAIモデル開発が不要となり、AIによる映像解析機能をアプリケーションに組み込める。AIモデルはカメラに依存しないため、既設カメラの映像を活用できる。

映像解析AIの各AIモデルによる認識イメージ

 人物/物体検出・追跡のAIモデルは、映像内の人物や物体を検出し、対象物(人、自転車、車など)ごとに追跡する。また、学習により、新規の物体も検出・追跡できる。

 骨格推定のAIモデルは、人物の関節点と顔の特徴点を推論する。推論を基に骨格を認識し、姿勢(体の向き)や視線(顔の向き)を推定する。

 顔認識のAIモデルは、顔領域検出、顔認証、顔向きを推論し、個人を世界トップレベルの精度で認識する。例えば、本人認証システムでの利用では、ひとり1枚の顔写真を登録するだけで、さまざまな顔の向き、暗いシーン、経年による顔の変化などにも対応し、個人を高速・高精度に認識する。

 また、別々の場所で撮影された複数の映像から、人物の服装や持ち物の特徴から同一人物を認識できるカメラ間追跡や、映像内の人数を高速にカウントする群衆密度推定、学習済みの定義された行動(人が立っている、人が歩いている)とは異なる行動(転倒している、しゃがんでいるなど)を検知する行動認識の各AIモデルを提供する。

 各AIモデルを単体または組み合わせてアプリケーションに活用することで、不審または不自然な行動をする人物の検知や、ショッピングモールなど大規模な施設内で迷子になっている子供の探索、駅構内で倒れている人の検知、展示会ホールや野外イベントの密集度から混雑状況の推定といったユースケースで利用できる。

「人物/物体検出・追跡」と「骨格推定」を組み合わせた不審行動の検知イメージ

 東芝デジタルソリューションズは、顧客の業務課題と目標を明確化するデジタルコンサルテーションやPoCによる事前検証サービスとともに、SATLYS 映像解析AIを提案していくと説明。今後も、SATLYS 映像解析AIのAIモデル強化とラインアップ拡充を通じて、社会インフラの安心・安全やビジネスの進化・発展に貢献していくとしている。