NTT Comとデンソー、車両向けセキュリティ監視サービスの提供に向け協業

　NTTコミュニケーションズ株式会社（以下、NTT Com）と株式会社デンソーは18日、サイバー攻撃の脅威から車両を見守る「車両向けセキュリティ監視サービス（以下、車両SOCサービス）」の提供開始に向け、協業を開始すると発表した。

　NTT Comとデンソーでは、コネクティッドカーと呼ばれるネットワークとつながる車の普及を受け、車両へのサイバー攻撃を検知し、分析する技術の開発を2017年に開始した。2020年以降は、実験車を用いて車両へのサイバー攻撃を模擬し、実験用の車両SOCによる攻撃の検知や影響範囲の分析など、さまざまな事象への対応シミュレーションを繰り返すことで、さらなる技術向上を図ってきた。

　協業ではこれまでの取り組みを踏まえ、NTT Comとデンソーの互いの強みを組み合わせ、車両SOCサービスを構成するシステムの開発、および車両SOCサービス運営体制の確立を進める。

　NTT Comは、IT分野におけるネットワーク、クラウド、SOCなどのマネージドセキュリティに関する技術力に強みを持つ。デンソーは、車載システム、車両サイバーセキュリティ、コネクティッドカー開発などで培った情報セキュリティ・通信・データ解析などに関する技術を強みとしている。IT分野・自動車分野それぞれの知見を有した両社が連携することで、車両へのサイバー攻撃に対し、的確に対応できる車両SOCサービスの提供を目指すとしている。

　協業では、自動車メーカーでの速やかなインシデント対応を可能とするため、車両に搭載されたセキュリティ機器から出力される、ログやコネクティッドサーバーとの通信ログの取得による車両の監視とサイバー攻撃を検知するサービスや、サイバー攻撃に関する動向や実際に車両へ行われた攻撃内容を都度把握することで、高度化・巧妙化を続けるサイバー攻撃を検知するサービスの提供を目指す。

　また、高度な知識を持つセキュリティアナリストによるサイバー攻撃の脅威に関する分析結果と、復旧対応に資する情報のレポート化、およびカスタマーポータルサイトを通じた顧客への提示を行うサービスや、SOC事業をグローバルに展開してきたNTT Comの運用実績と運用基盤を活用した、グローバル規模で安定した車両セキュリティ監視サービスの提供を目指す。

　NTT Comとデンソーは協業により、車両SOCサービスの提供開始を目指すとともに、両社での連携による開発をさらに加速させ、安心・安全なモビリティ社会の実現に貢献していくとしている。