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NTT-ATや東芝など4社、ゲリラ豪雨による水害対策の有効性を検証する実証実験を開始

 NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)、日本工営株式会社、株式会社東芝、東日本電信電話株式会社 埼玉西支店(以下、NTT東日本)の4社は、ゲリラ豪雨による突発的な水害への対策として、高精度かつリアルタイムな降雨・浸水予測を活用した、自治体職員の災害対応業務の有効性に関する実証実験を、埼玉県ふじみ野市にて8月19日より実施すると発表した。

 昨今では、線状降水帯やゲリラ豪雨による洪水や浸水被害が全国各地で多発しており、有効な対応策が求められている。4社ではこうした状況を受けて、ゲリラ豪雨の早期予測と浸水シミュレーション、さらに動的ハザードマップの提供・配信で構成される一体型サービスを開発。全国に先駆けてふじみ野市で一定期間運用し、精度の高い予測情報に基づく的確・迅速な災害対応の判断と実行、および被害の軽減の観点で、システムの有効性を検証するという。

 このシステムでは、1)最新技術によるゲリラ豪雨の高精度な早期予測、2)高解像度リアルタイム浸水シミュレーション、3)刻々と変化する動的ハザードマップの提供、4)タイムリーな情報配信――、といった4つの機能を連動させ、1つのシステムとして実際の災害対応業務で活用できるようにしている点が特徴だ。

 1)では、実用型・高機能気象レーダーであるMP-PAWRと、国土交通省のレーダーネットワーク(XRAIN)を活用し、降雨予測ソフトウェア「改良版VIL-NC」によって、局地的豪雨の兆候と雨量を、発生30分前に高精度に予測できるという。

 また2)は、複数の降雨観測データによって精度を高めた予測情報を活用し、対象エリアの浸水予測シミュレーションをリアルタイムに実行する機能。時系列でアニメーション表示することにより、自治体職員の各種判断を支援するとした。

 3)では、浸水予測シミュレーション結果に基づいて、数時間先までの浸水による危険度を判別できる、動的な浸水ハザードマップを提供する。

 また4)により、危険が迫る地域の利用者のスマートフォンアプリに、浸水予想区域・浸水深情報を動的ハザードマップ情報として届けることが可能。自治体職員・関係者の体制準備や対応指示などの実行、避難情報の発令判断の支援につなげられるとしている。

 なお4社では、今回の実証実験により得られた成果を基に、全国の水害対策を支援するサービスとして提供できるよう、検討を進めていくとのことだ。