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IBM、Power10サーバーのラインアップにミッドレンジサーバーとスケールアウトサーバーを追加

 米IBMは現地時間7月12日、Power10サーバーのラインアップを拡充し、ビジネスアプリケーションとIT運用のモダナイズ、保護、自動化を実現するミッドレンジサーバーとスケールアウトサーバーを新たに追加すると発表した。

 新しいPower10サーバーは、2021年9月に提供開始したPower10 E1080サーバーに続く製品群として、顧客ITインフラストラクチャー全体で他のx86やマルチクラウド管理ソフトウェアとともに管理可能な、安全でレジリエンシーの高いハイブリッドクラウド体験を提供すると説明。前世代のPower製品と比べて2倍以上のコアと2倍以上のメモリ帯域幅を備えた次世代のIBM Power10プロセッサーを中心に設計されており、製品群全体でハイエンドサーバーの機能を提供可能になったとしている。

 新システムは、透過的なメモリ暗号化やプロセッサーとシステムの高度な分離といった重要なセキュリティ機能をサポートするだけでなく、Linux FoundationのOpenBMCプロジェクトを活用し、新しいスケールアウトサーバーでの高度なセキュリティを実現する。

 新製品のPower10 Midrange E1050は、4ソケットサーバーとしての計算能力、Javaパフォーマンス、およびERPパフォーマンス能力の新記録を達成。また、スケールアウトサーバーとして、エントリーレベルのPower S1014と、S1022およびS1024をラインアップし、中小企業やリモートオフィス/事業所のオフィス環境に、キャパシティーアップグレードオンデマンド(CUoD)などのエンタープライズ機能を提供する。

 また、IBMでは、IBM Power Private Cloud向けの従量課金制と分単位の課金という新しい使用量ベースの課金体系を発表し、代替プラットフォームと比較して、Power上でのOpenShiftソリューションのランニングコストを削減する機会を提供するとしている。この新しい課金モデルは、IBM Power Virtual Serverで既に使用可能なオプションに基づいて設計されており、さらにIBM iでは、ハードウェア、ソフトウェア、サポート/サービスがサブスクリプションサービスに含まれる、包括的なプラットフォームソリューションを提供する(ただし、日本は対象外)。

【7月16日追記】
  • IBMより、「日本は対象外」との追加発表がありましたので、追記いたしました。

 SAPソリューションに対しても、新しいミッドレンジサーバーのE1050では、RISE with SAP on IBM Cloudを実行する顧客向けに、4ソケットシステムで拡張性(最大16TB)とパフォーマンスを提供すると説明。さらに、プレミアムサプライヤーオプションの拡張により、IBM Power on Red Hat Enterprise Linux on IBM Cloudでワークロード実行する選択肢が追加され、さらなる柔軟性とコンピューティング能力の提供が可能になったとしている。