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TIS千代田システムズ、石油化学プラント向けの次世代設計図面ソリューション「Dynamic Flow Navi」を開発

 TIS千代田システムズ株式会社は6日、次世代のプラント設計図面ソリューション「Dynamic Flow Navi」を、10月に提供開始すると発表した。

 石油化学プラントでは、プラントを構成する機器・計器・配管・バルブなどのつながりを専用記号で可視化した、配管・計装図面のP&ID(Piping & Instrument flow Diagram)が用いられている。プラントの設計・運転・保全などのフィールド業務では、P&IDをもとに流体の経路確認や機器情報の把握が重要な業務となっており、大量のP&IDチェック効率化と、有効活用を実現するP&IDのインテリジェント化が求められているという。

 TIS千代田システムズでは、このインテリジェントP&IDソリューションとして提供している「TechmasNavi」を機能強化し、後継ソリューションとなるDynamic Flow Naviを新たに提供する。

 Dynamic Flow Naviは、従来のP&IDに代わり、「マウス操作で流体の流れをカンタンにシミュレーションできる」「P&IDから散在するさまざまな情報へカンタンにアクセスできる」というフィールド業務改革のコンセプトを継承し、顧客からの要望が多かった「紙やCAD図面からインテリジェントP&IDへのカンタンな移行」を独自のAI技術で実現。さらに、ユーザーインターフェイスの刷新により、ユーザビリティが大幅に向上するとしている。

Dynamic Flow Naviの導入効果

 Dynamic Flow Naviでは、ステータス変更による流体経路変化のカラー表示が可能。インテリジェントP&ID上でバルブ開閉やポンプON/OFFを切り替えると、Dynamic Flow Naviが流体経路を自動判定して、カラー表示する。流体の種類によって特定の色を指定しておくことで、よりプラントの状態が正確に把握できる。ステータスを変えた流体経路パターンを複数保存し、プラントの運用・保全用の技術情報として活用することもできる。

 P&ID上から、機器に関連する情報へダイレクトにアクセスする機能も提供。個別のシステムで管理している機器・計器に関連する情報を、Dynamic Flow Naviとひも付けることで、ひとつのインターフェイスを通じてさまざまな情報に簡単にアクセスできる。

 また、AI技術により、紙やCADデータからインテリジェントP&IDへの移行をサポート。AI技術を利用して、既存図面のオブジェクト(部品・計器・配管)を自動検出する独自技術により、人手とコストを抑えてP&IDのインテリジェント化を実現する。

 TIS千代田システムズでは、Dynamic Flow Naviの導入を希望する顧客向けに、正式サービス提供前の9月末までPoCも実施する予定。今回のDynamic Flow Navi開発を皮切りに、引き続き運転手順シミュレーションや、HAZOPスタディ支援などの機能強化を予定しており、蓄積情報とDynamic Flow Naviを統合したプラント情報ポータルによる業務効率の実現で、顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援するとしている。