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ISID、住友商事と共同開発したコモディティ取引・リスク管理システム「GNX」を提供

 株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は14日、コモディティ(非鉄金属、貴金属等)取引を行う商社などの企業向けに、コモディティ取引・リスク管理(CTRM)システム「GNX」の提供を開始した。

 GNXは、住友商事の非鉄金属原料部ニッケル・コバルト・レアメタルチームとISIDが共同開発したCTRMシステム。コモディティ現物取引と、それに付随するデリバティブ取引の一元管理を実現する。システムは2020年12月から住友商事で稼働しており、今回、パッケージソフトウェアとして一般向けに提供する。

 マイクロサービスアーキテクチャやReactテンプレートなど、最新の技術を活用したISIDの独自開発基盤「M5」で開発しており、導入後のビジネス環境変化に対するエンハンス(機能追加開発)、他のシステムやデジタルツールとの連携をスピーディーかつ柔軟に行える。導入から保守・運用に関する全てをISIDがワンストップで提供し、ISIDの欧州・米州・アジアの海外現地法人による現地サポートにも対応する。

 コモディティ取引とは、商品取引所で取引されている商品や、商品先物の取引などを指す。売買から、物流・在庫管理、決済のための為替予約取引で生じるポジション管理、実現/評価損益の管理、ヘッジ取引管理など、業務全般にわたる統合管理が必須で、CTRMシステムはこれらを正確かつ効率的に実行するため必要とされている。

 さらに近年は、人権・環境・倫理などに配慮した、責任ある鉱物調達への対応が求められ、CTRMシステムには調達やトレーサビリティーに関連するデータ管理・連携基盤としての役割も必要とされている。

 コモディティ商品の一つであるニッケルの取り扱いが国内最大の住友商事においても、CTRMは最も重要な基幹システムの一つと位置付けられていることから、住友商事ではISIDとシステムの共同開発に至ったと説明。システムのニッケルチームでの安定稼働が高く評価され、現在は住友商事の銅地金チームにも利用が拡大しているという。

 ISIDでは、GNXの提供を通じ、商社・コモディティ取扱企業における業務高度化に貢献していくとしている。