東芝デジタルソリューションズ、3D CADデータと実物の重ね合わせで現場作業を効率化するMRソリューション「Meister MR Link」

　東芝デジタルソリューションズ株式会社は21日、製造現場の3D CADデータ活用ソリューション「Meister MR Link」を提供開始した。

　Meister MR Linkは、MR（Mixed Reality、複合現実）技術と既存の3D CADデータを用いて、フィジカル空間の実物にバーチャル空間の3Dモデルを重ね合わせて表示するソリューション。現場で紙の図面などを参照しながら行っていた、設計と実物の差異や品質の確認作業を、MR技術を活用することで、タブレット上で3Dモデルと実物を簡単に見比べながら行うことができ、現場作業の手間や時間の削減に貢献する。

　既存の3D CADデータをMR用の3Dモデルデータに変換し、現場に持ち込むことが可能。ソリューションは、データ変換ツールとタブレットアプリケーションの2つで構成され、製造業に特化した標準機能を搭載しているため、専用機器や検証ルームなどの大規模な設備投資は不要で、市販の汎用タブレット端末で手軽にMR技術を活用できる。

　月額固定料金のサブスプリクションサービスによる提供のため、少ない初期投資で手軽に利用を開始でき、アプリケーションはタブレット端末にインストールすることですぐに利用できる。

　例えば自動車メーカーでは、試作車両に対して実寸大模型（ガバリ）を重ね合わせて、溶接された全打点の品質をチェックする工程があるが、ソリューションを導入することで、ガバリ自体が不要になり、試作車両の実物に3Dモデルと打点データを表示し、打点の品質をチェック・実績登録する一連の作業をタブレットで行えるようになる。

　さらに、紙の図面などを確認しながら作業を行っていた場合と違い、作業結果や進捗状況を可視化できるため、作業の抜け漏れや手戻りの削減に効果が期待できるとしている。