ニュース

富士通、ビルの稼働データを一元管理する中小規模向けクラウドサービス「Futuric/CL」

 富士通株式会社は29日、ビル管理システム「FUJITSU Public Sector Solution Social Century Sustainable 施設総合管理システム Futuric」(以下、Futuricシリーズ)のラインアップを拡充すると発表した。クラウド型の新サービス「FUJITSU Public Sector Solution Social Century Sustainable 施設総合管理クラウド Futuric/CL」(以下、Futuric/CL)を販売開始する。

 「Futuricシリーズ」は、建物規模に応じて、電力、空調、照明などの設備管理点数500点から最大20万点までを統合監視できるオンプレミス型の設備監視システム。大規模および中規模ビル向けにラインアップを展開しているが、今回は、コストが課題で導入が進まなかった中小規模のビルや複数のビルを管理するオーナーおよび管理会社向けに、設備の規模に応じ、システムコストを抑えて導入できる月額定額制の新サービスを提供する。

 その「Futuric/CL」は、ビルや施設内に設置された設備の稼働状況やエネルギー使用量のデータをクラウドに蓄積し、インターネット上の統合建屋ダッシュボード画面で一元管理できるサービス。

 具体的には、温湿度計などから出力されるアナログ計測値や、電力量計から出力されるパルス積算値を定期的に収集し、それらをトレンドグラフで表示することによって、エネルギー使用の傾向や設備の状態をクラウド上で常時監視できる。

トレンドグラフの画面イメージ

 ビルオーナーや管理者は、Windows PCからインターネット経由で統合建屋ダッシュボード画面にアクセスすると、ビル1棟から最大100棟までの設備状態をリアルタイムに把握し、遠隔操作で設備機器のON・OFF制御やスケジュール運転の設定などを一元管理可能。これにより、常駐管理者が不在のビルでも遠隔から監視や制御ができるため、複数ビルの管理や休日夜間対応などにおける人手不足の解消につながるとした。

統合建屋ダッシュボードの画面イメージ

 また、設備の稼働状況の可視化により、それらの情報をもとに、無駄な空調や照明をコントロールするなど、ZEB(Net Zero Energy Building)の達成に必要な、省エネの実現や脱炭素化への貢献が可能としている。

 加えて、設備の故障や建物内の異常などの警報を検知した際には、Webブラウザの起動状態にかかわらずPCから警報音を鳴らす機能を備えているので、迅速な対応が可能とのこと。

 ラインアップとしては、最大200点まで監視可能なライトと、3000点まで監視可能なスタンダードを用意する。価格(税込)は、ライトが月額7万7000円、スタンダードが月額44万円。富士通では、2024年度末までに140社への導入を目指している。