NTT東日本と日立、トレンドデータと予測根拠を説明できるAIの活用により潜在ニーズを発掘する実証を開始

　東日本電信電話株式会社（以下、NTT東日本）と株式会社日立製作所（以下、日立）は9日、予測根拠を説明できるXAI（Explainable AI）と、トレンドデータを活用したAI予測モデルにより、顧客の潜在ニーズを発掘し、営業活動における提案内容の最適化を図る仕組みの実証を、9月10日に開始すると発表した。

　日立はこれまで、XAIの技術開発とともに、さまざまな業種において、株式会社日立コンサルティングと連携し、XAIを業務システムに導入して継続的に運用・改善する体制や仕組みの整備など、XAIの業務での定着化に向けたコンサルティングからデータ利活用の仮説検証、提供、運用までサポートし、企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）の支援に取り組んできた。

　日立では、今回のNTT東日本との協業にあたり、企業情報とトレンドデータを組み合わせ、XAIの分析モデルを構築したほか、業務での適用を想定した検証プロセスの開発を進めた。

XAIとトレンドデータを活用して提案活動を支援する仕組み（イメージ）

　実証では、NTT東日本が持つ商材情報や顧客訪問、電話応対履歴、成約／失注の取引履歴など、膨大かつ構造的に整備された提案活動データをサンプルとして、これらのデータに新たに世の中の動向を示すトレンドデータ（新聞記事などのキーワード出現日、出現回数増減など）を組み合わせてXAIで分析し、顧客への課題解決提案の高度化に向けた効果検証を行う。

　AIの予測や判断結果の根拠を、定量的かつ分かりやすくタイムリーに提示できるため、課題やニーズが顕在化する前に先手の提案活動が期待できるほか、直感や常識に裏打ちされた営業担当者のノウハウと、XAI双方の仮説を比較検証しながら、継続的にモデルを改善していくプロセスに基づいてAIモデルの高度化を進め、分析結果の訴求力・納得感を向上させていくことを目指す。

　NTT東日本は今回の検証結果に基づき、顧客から預かったデータを活用するBPOなどを強化することで、顧客のビジネスから社会全体のDX推進に寄与する活動につなげていくことを目指す。

　日立は、今回の実証で培ったノウハウを生かして、顧客の営業活動の高度化に向けた取り組みを進めるほか、今後も、デジタルイノベーションを加速する日立のLumadaで展開するソリューション・技術を活用し、新たなサービスやビジネスの創出を支援していくとしている。