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NTTドコモ、スマートグラスを活用した保守業務向け「遠隔作業支援ソリューション」を開発

 株式会社NTTドコモは14日、複合現実(MR)用ヘッドマウントディスプレイ「Magic Leap 1」を用いた保守業務向け遠隔作業支援ソリューションを開発したと発表した。

 保守業務向け遠隔作業支援ソリューションは、遠隔地からリアルタイムで作業現場を遠隔支援するサービスで、サーバー保守業者やインフラ事業者などによる、施設や機材の保守での活用が見込まれる。

 遠隔地にいる支援者は、PCの映像や音声から現地の状況を把握して作業を指示し、現地にいる作業者は「Magic Leap 1」を装着することで、隣でアドバイスを受けているような精度で作業が行える。

NTTドコモのネットワーク保守業務での利用イメージ

 ソリューションでは、遠隔地のPCアプリからMR空間上に矢印配置や描画を行うことで、遠隔地にいながら現地にいるかのような指示が可能な「空間ポインティング機能」を使用できる。また、現地で手順書を空間上に表示することで、作業しながら手順を確認できる「3Dフロー機能」も搭載しており、MR技術の持つ空間認識能力を活用することで、作業対象を邪魔しない位置に手順書を配置できる。

 このほか、騒音環境下でも通話が可能な「ノイズキャンセル通話機能」、3Dフローを利用した作業履歴が閲覧できる「証跡管理機能」、指定の連絡先にすぐに連絡可能な「通話リクエスト機能」を搭載する。

 施設や機材の保守には、人為ミスを無くすためのクロスチェックが必要で、チェックする側も現地に居なければ作業ができない、正確なチェックを行える熟練者も減少しているといった課題があるが。保守業務向け遠隔作業支援ソリューションにより、熟練者が遠隔地からでも保守・クロスチェックが可能になるため、作業者のスキルの有無に関わらず正確な現地対応が可能になるとしている。

 NTTドコモでは、同社のネットワーク保守業務で試験運用を開始し、各機能の使い勝手や改善点の洗い出しを行うとともに、試験運用の結果を踏まえて、業務への本格導入やさらなる機能改善を目指す。また、保守業務向け遠隔作業支援ソリューションを、6月16日~18日に開催されるオンラインイベント「Japan IT Week オンライン」に出展する。