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国内ネットワーク仮想化/自動化市場およびNFV市場予測を発表

 IDC Japan株式会社は10日、SDN(Software-Defined Network)に代表される国内ネットワーク仮想化/自動化市場と国内NFV(Network Functions Virtualization)市場に関する予測を発表した。データセンターと企業ネットワーク向けを合計した、国内ネットワーク仮想化/自動化市場は、2020年の562億円規模から、2025年にかけて年間平均成長率4.6%で拡大を続けると予測している。

 2020年の国内ネットワーク仮想化/自動化市場は、データセンターのネットワーク仮想化/自動化市場が前年比5.5%減、企業ネットワークにおけるネットワーク仮想化/自動化市場が前年比10.8%減のマイナス成長と推計している。

 国内ネットワーク仮想化/自動化市場はこれまで高い成長を続けてきたが、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響を受け、マイナス成長に転じたと分析。コロナ禍で経済状況、ビジネス状況が不透明になる中で、オンプレミスのITインフラに対する投資を企業が抑制したことや、ネットワーク更新プロジェクトの延期や保留などが影響したとしている。

 一方で、COVID-19以前とは異なる新たな社会「ネクストノーマル」において、ネットワーク基盤に不可欠なものとして、ネットワーク仮想化/自動化の活用は進むと予測。データセンターITインフラストラクチャのモダナイゼーションと、効率化の追求を原動力として、国内データセンターネットワーク仮想化/自動化市場は、2020年~2025年に年間平均4.5%で成長するとしている。

 また、企業ネットワークの運用管理において、省人化、遠隔化、自動化がいっそう求められる中では、それを実現する企業ネットワーク仮想化/自動化の必要性も高まると予測。国内企業ネットワーク仮想化/自動化市場の2020年~2025年の年間平均成長率は4.7%と予測している。

 通信事業者ネットワークにおけるネットワーク機能の仮想化市場である国内NFV市場も、MNO(Mobile Network Operator)の5Gサービス用設備投資を原動力に堅調に成長を続け、2020年~2025年の年間平均成長率は6.6%と予測。5G SA(5G Standalone)に基づいたサービスの開始に向けた5G Coreの導入や、RAN(Radio Access Network)の仮想化の進展が、国内NFV市場拡大の鍵を握ると分析している。

 IDC Japanコミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「ネットワーク仮想化/自動化ベンダーは、ネクストノーマルをネットワーク仮想化/自動化の有用性を訴求する好機とすべきである。顧客とネクストノーマルにおけるネットワークの在り方を議論する中で、ネットワーク仮想化/自動化がもたらす効率化や、これからの働き方への適合性を訴求していくべきである」と述べている。

国内ネットワーク仮想化/自動化市場 支出額予測、2019年~2025年(出典:IDC Japan)