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英Canonical、IoT機器や組み込みシステム向けの「Ubuntu Core 20」をリリース

 LinuxディストリビューションのUbuntuを開発する英Canonical社は2日(英国時間)、IoT機器や組み込みシステム向けのOS「Ubuntu Core」の新版「Ubuntu Core 20」をリリースした。x86やARMのシングルボードコンピュータで利用できる。

 Ubuntu Coreは、UbuntuをコンパクトにしてIoT機器や組み込みシステムに向けて開発したOSで、Ubuntuのアプリケーションのエコシステムや、自動化された定期的な更新などを特徴としている。また、コンサルティングやエンジニアリング、アップデートなどを含んだ固定価格のサービスSMART STARTも提供する。

 2年に一度リリースされるUbuntuのLTS(長期サポート)版を元に開発され、サポート期間は10年。今回のUbuntu Core 20は、2020年4月にリリースされたUbuntu 20.04 LTSが元になっている。

 公式ドキュメントでは、Ubuntu Core 20の新機能として以下のものが挙げられている。

・TPMによるディスク全体の暗号化(まずはx86)
・リカバリーモードのメニュー(「Run normally」「Recover」「Reinstall」から選べる)
・MAAS(Metal-As-A-Service、サーバーのプロビジョニングツール)とcloud-init(クラウドのインスタンス用初期化ツール)のサポート

 そのほか、プレスリリースではセキュアブート対応も挙げられている。

 なおUubntu Coreでは、コンテナによるsnapという方式のパッケージでアプリケーションをインストールするようになっていることから、他のアプリケーションとの隔離や、Canonicalのsnapアプリストアからのインストールによるセキュリティもうたわれている。なお、snapはUbuntu Core向けに開発されたものだが、現在はUbuntuでも使われている。

 今回のリリースにあたり、CanonicalのCEOのMark Shuttleworth氏は「すべてのコネクテッドデバイスに、保証されたプラットフォームセキュリティとアプリストアが必要です。Ubuntu Core 20により、革新的な企業や開発者は隔離性とセキュリティアップデートを備えたオペレーティングシステムで非常に安全性の高い機器の開発や独自の機能やアプリの考案に集中できます」と語っている。

 事例としては、駆動・制御技術のBosch Rexrothや、エンタープライズIoTソリューションのRigado、ロボット用の認識ソフトウェアのPlus One Roboticsなどが製品化しているという。

 また今回の発表に関して、Intelは「IntelとCanonicalはきわめて品質の高いLinuxを提供するために協業しています」とコメント。Raspberry Pi Foundationも、「Raspberry PiとUbuntuはどちらも世界中の教育現場やスタートアップ企業での学び、発見、発想の精神を育んでいます」とコメントを寄せている。